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SHOGUN-将軍-1話~3話見た

こんばんわ☕
せいたろうです

2月27日(火)からディズニー+のSTARオリジナルシリーズのドラマ「SHOGUN-将軍-」がスタートしました。気になっていたのですが、やっと1話から3話まで一気に見てみたので感想とか書いていきたいと思います。

SHOGUNはイギリスの小説家ジェームス・クラベルの「将軍」を原作としたドラマです。1980年には吉井虎長役を三船敏郎が演じたドラマがアメリカで製作されました。
今作は吉井虎長役を真田広之が演じてます。さらに真田広之がプロデューサーとして作法や小道具のチェックなどを請け負ったようです。
アメリカ製作になるとどうしてもなんちゃって日本"風"になってしまうものですが、今作は日本人が見ても全くストレスのない出来になっています。
俳優もなじみの顔がたくさん出てきて安心感あるし、セリフもしっかり戦国時代のことばで何の違和感も感じません。

感想

第一話「按針」

恥ずかしながら小説「将軍」や1980年のドラマは知らなかったので、登場人物がみんな創作だということを知らずに見始めたので、「え、誰!?」ってなってしまいました…
ただ、この登場人物のほとんどがモデルとなった人物がいるので、リンクさせつつパラレルワールドも理解しながら見てました。大河ドラマや歴史モノの映画なんかとは違う面白さがあるなあと思います。近いのは特定のモデルの人がいる朝ドラとか。

さて、1話は主人公のジョン・ブラックソーンが乗ったオランダ船が日本の伊豆半島東岸で難破して、伊豆の領主に連行される話でした。
時代は1600年。関ケ原の戦い前夜といったところ。丁度ブラックソーンのモデルとなったウィリアム・アダムス(三浦按針)たちが日本に漂着したころです。
このころイングランド人がオランダ人と組んでスペイン帝国秘蔵のインド航路の海図を盗み出してアジアに進出を始めたばかり。初めて「英語」を聞いた日本人は何言ってるかわからず、なんとかポルトガル人に通訳させて会話することができました。
ブラックソーンとしては絶対に死んでたまるかという気持ちが強く、必死に食い下がる姿にドキドキしました。
そしてプロテスタントであるブラックソーンはカトリックのポルトガル人とはバチバチの敵対関係なんで、噛みつくんですよね。よせばいいのに…。
あとで明らかになりますが彼らはポルトガルの要塞を破壊して回ってたので、ポルトガル人と仲良くするわけにはいかなかったのかもしれません。

一方、関東の雄「吉井虎永」が大坂に呼び出されて糾弾されてました。もちろん彼のモデルは徳川家康ですね。吉井虎永は「勝手に領土を広げた容疑」と「落葉の方を人質に取っている容疑」が疑われているようです。
太閤が亡くなったあと家康が勝手に他家と婚儀を結んだりして石田三成らが家康を責めた話がもとになってそうですね。この確執が関ケ原に繋がっていくので。
吉井虎永と敵対しているのが虎永と同じく五大老の一角「石堂和成」です。モデルは石田三成でしょう。ちなみに石田三成は五大老とは別の五奉行のひとりです。ここは複雑にならないためのアレンジかと思います。

第二話「二人の主君に仕えて」

最初に太閤が死に際に虎永と会話するシーンがありました。この世界は100年も前に幕府が倒れて「将軍」が途絶えてしまっているようですね。「将軍」の座に就き国を治める人物を待ち望んでいるという感じでしょうか。
さて、ブラックソーンは伊豆から大坂に連行されました。
ここでブラックソーンは虎永や通詞のマルティン司祭、弟子の戸田鞠子に出会いました。
ブラックソーンの仕事は舵取りなので「水先案内人」という意味の「按針」と呼ばれてました。日本人名ではなく愛称としての「按針」なんですね。

按針が虎永と会ったことで物語が複雑に絡み合い始めましたね。
ポルトガル人は按針がポルトガルの企みを告発してしまう可能性があるので生かしておけない。
ポルトガル語の訓練のため虎永が戸田鞠子を呼んだことが夫の広勝は気に入らない。
キリシタン大名の木山もカトリックと共謀して按針を亡き者にしたい。こちらを先に片づけたいので虎永の件は後回しにしたい。
などなど…

牢屋で按針が聞いた「ポルトガルが浪人に鉄砲を売って謀反を企んでいる」という情報もポルトガル追放の切り札として手に入れました。
史実でそのような話は多分ないと思いますが、あってもおかしくない話だとは思います。「バテレン追放令」にもつながりそうな重要な話だと思います。

そして最後、按針は共通の敵を倒してほしいと持ちかけました。これで虎永と按針の利害が一致していることを共有し、協力関係に繋がっていくようですね。

2話を見て、ああ鞠子は細川ガラシャじゃんってなりました。つまり夫の広勝は細川忠興。義父は幽斎がモデルですね。
細川ガラシャは悲劇のヒロインとして海外でも認知されてて、夫の忠興は武に優れているがキレやすいというキャラクター性も伝わっていると聞いたことあります。

第三話「明日は明日」

虎永の屋敷に刺客が入り大坂に緊張が走る中、虎永は大阪脱出を開始します。なんどかバレそうになりつつも按針の機転などに助けられながらなんとか脱出し、ポルトガルの船に乗り込んで港を出る事ができました。
伊豆領主の樫木藪重は石堂の誘いに乗って寝返りそうになってましたが、成り行きで虎永側につくことになりました。

最後の船の上での虎永と按針のやりとりは良いなあと思いました。タイトルの「明日は明日」というのもここで出てきました。
明日に持ち越さず、今日ものにする。虎永がこれから立ち回る際の行動の速さが現れているのかなと思いました。

そしてまさかの虎永の「旗本」に加わることが決まり、「西洋式の戦い方を部下に教えよ」という命が与えられました。
ただのアドバイザーとしての地位につくもんだと思っていたので、割としっかり家臣となって家禄と兵も与えらることになるのはびっくりしました。

おそらくこれからポルトガルとイギリスの代理戦争の形で関ケ原の戦いが開幕するんでしょう。そこで按針も一部将して戦うのかもしれませんね。

ちょっとだけ大航海時代の話させて

ちょっとこの時代の事が好きなので話させてください。興味なかったら飛ばしてください…
日本とヨーロッパ両方の情勢を理解することでこのドラマをもっと楽しんでほしいんです。
このドラマの舞台の1600年頃にはポルトガルは暗い時代になってるんですよね。そして逆にイギリス、オランダの商人たちの時代がやってくる転換点のタイミングです。

さかのぼること約200年前、ポルトガルは1415年のセウタ占領を皮切りに大航海時代が始まりました。そして1482年に黄金海岸のエルミナに要塞を築いて金や奴隷の交易で栄えました。
さらに南下したポルトガルは1488年には喜望峰に到達しました。そして1498年にバスコ・ダ・ガマ率いる船団がインドに到達。インドとヨーロッパを結ぶ航路が開拓されました。
ポルトガルはインドで仕入れた交易品をヨーロッパへ持ち込むことができるようになり大儲けしました。
ポルトガルは1510年にインドのゴア、1511年にマレー半島のマラッカを攻略して要塞を築きました。そして1522年には香料諸島(モルッカ諸島)のテルテナに要塞を築き、胡椒などのスパイス交易を独占しました。

1534年、パリ大学で学んだ7人の同志が「エルサレムへの巡礼と同地での奉仕、それが不可能なら教皇の望むところへどこでもゆく」という誓いを立てます。彼らはイタリアの教皇に活動を認可されて「イエズス会」としての活動を開始します。
1541年、イエズス会設立メンバーのひとりフランシスコ・ザビエルは宣教活動のためにポルトガルの船にのってインドへ向かいました。

1543年には鉄砲を乗せた船が種子島で難破。日本に鉄砲が伝来しました。
そして1549年、日本人のキリスト教徒ヤジロウとともにザビエルが日本へ赴き、日本にキリスト教が伝来しました。
このころポルトガルはブラジルにも拠点を築いて砂糖産業のプランテーションを開始しました(本格的な植民地開発)。

1578年、ポルトガル国王セバスティアン1世が未婚のまま戦死。跡を継いだ大叔父のドン・エンリケ枢機卿(エンリケ1世)にも嗣子がいませんでした。エンリケ1世が亡くなると、国内は大荒れして隣国ハプスブルグ=スペイン王国のフェリペ2世が兵を派遣して各地で勝利。フェリペ2世が国王に就任してポルトガル・スペイン同君連合が成立しました。

イングランドではプロテスタントのエリザベス1世が即位。海賊のフランシス・ドレイクなどを雇って海賊行為を支援していました。
スペインは無敵艦隊をイギリスへ向かわせましたがイギリスの寄せ集めの艦隊に敗れてしまいました。(アルマダ海戦

オランダは当時はハプスブルグ領ネーデルランドと呼ばれていました。ここを収めていたのがハプスブルグ=スペイン国王フェリペ2世です。ネーデルランドはプロテスタントが多く、有力貴族のオラニエ公ウィレム1世を筆頭に反乱を起こしました。のちにネーデルランド連邦共和国として独立し、スペインと長い戦争が起きました(八十年戦争

このような経緯もあってイングランドやオランダはスペイン(ポルトガル)と対立していました。
因みにイングランドとポルトガルはズッ友同盟を結んでいましたが、この時はスペインの傘下なので無効っぽい。

書きたいこと書けたのですっきりしました。
お付き合いいただきありがとうございました。

四話以降も楽しみです。
どこまでやるのかな…関ケ原の戦いまでなのか、大阪夏の陣までなのか、はたまた島原の乱までやるのか(いやそれはないか)

できるだけ感想出していきたいなと思います。

では。

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