喜びだ しかも 悲しみでもある
詩人谷川俊太郎さんの生き様は面白い。
インタビュー番組で、貴方は何故詩人になったのですか?の問に、こう答えていた。
「何もしないとご飯が食べられないでしょう?」
「だから何か書くのです」
幻想的な世界が、常に私の心に生まれ、それを書かずにはいられないのですよ!とかの答えを普通は期待しますよね!
暫く笑い転げていた。
彼の作品は断定的なものの言い方をしないので、解釈がとても難しい。しかしこれが人間の心の動きに、とても正直だと思う。
春に
谷川俊太郎
この気もちはなんだろう
目に見えないエネルギーの流れが
大地からあしのうらを伝わって
ぼくの腹へ胸へそうしてのどへ
声にならないさけびとなってこみあげる
この気もちはなんだろう
枝の先のふくらんだ新芽が心をつつく
よろこびだ しかしかなしみでもある
いらだちだ しかもやすらぎがある
あこがれだ そしていかりがかくれている
心のダムにせきとめられ
よどみ渦まきせめぎあい
いまあふれようとする
この気もちはなんだろう
あの空の青に手をひたしたい
まだ会ったことのないすべての人
と 会ってみたい話してみたい
あしたとあさってが一度にくるといい
ぼくはもどかしい
地平線のかなたへと歩きつづけたい
そのくせこの草の上でじっとしていたい
大声でだれかを呼びたい
そのくせひとりで黙っていたい
この気もちはなんだろう
若者の将来に対する夢と希望、そして不安を見事に表現している。
ここから冒険の旅が始まるのですね!
一方、私みたいな年齢層にも複雑な気持ちが有る。
それはゴールが直ぐそこに見え隠れしている現在の心境である。
多くの責任を無事果たし、肩の荷を下ろし、安堵の気持ちで毎日を迎えたいが、後、残りの距離と時間が定かでない。
誰も、過去には戻れないので、確実にゴールインする迄、前に進まねばならない。
エッ?死ぬ迄、安寧の日は無いと言う事か。
それが生きる者の責務なんだね!
良い世の中を作りたいね!
拙い文ですが、溢れ出る思いを、人に伝えたいと願っています。日常にある小さな出来事ばかりですが、その視点により皆が幸せになれると嬉しいです。何より読んで欲しいと切望しています。宜しくお願いしますね!