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事実は小説より奇なり-2          輸入するということ

今回は破損モデルの話

 オークションで落札できたからと言って、一概に良かったとは言えない。それは壊れて送られてくることが偶に(稀ではない)ある。今回のモデルはオランダからの空輸。元のモデルは英国でキットが作られ、フィニッシャーによって組み立てられ、それが世界の方々に送られ愛好家が購入する。その後、種々の理由でオークションに出品された物。

 今回のモデルであるChaparral 2Gは世界中のある年齢層には人気があり、定価購入後結構な希少価値がついて出品される。この間に何回も人手に触れるが、当然それを考えて壊れ難い様にされているが、いくら「取扱注意」となっていても何時も完璧とは言えない。


1968年 Laguna Secaを走ったChaparral 2G

 今回の品は輸出元で検査されOKとなったものが日本に届き、輸入元がそれを検査するが、今回はその検査の目を逃れ、手元に着いてしまった(輸出元や輸入元で検査され、そこで異常が見つかると購入するかどうかメールが入る)。

正面からの眺め

 破損モデルはこれが最初ではない、箱が着いた段階で箱を揺すってみる、音がしなければ安心、すれば一寸心配(と言っても輸入元で検査されているだろうから)、で開封してみた。

結構厳重な大きな箱で輸入される
開けてみると、今の主流なクッション材、紙をくしゃくしゃにして緩衝、一寸緩いか
緩衝の紙を取り去るとこんな感じ、左にはキットが入っていた箱、箱はほぼ確実に入っている
右の正方形が外箱、プチプチで覆うのは常識だ

 箱の中は正方形の物と横に元のモデルが入っていた箱を確認、正方形の箱を開いて見て吃驚、Chaparralの特徴的な羽が完全に離れ、支柱の1本は曲がり、1本はどこにあるか分からない、アクリルの外箱には細かいプラスチックの破片、それ以上開けずにキャンセルの通知、輸入元もその写真を見て納得した様で、キャンセルに応じてくれた。

アクリルのカバーにプラスチックの小破片が一杯、羽根の横には取れたバックミラーが        フロントの前にある小片は何だか分からない、真ん中には取れたネジが1個

 1年半程して同じモデルがオークションに出品され、その品は落札し無事に手元にある。それをみるとモデルは台座に二箇所のボルトで固定されていた、破損モデルは箱の中にボルトが転がっていた。2本とも抜けて、モデルが箱の中で踊り小破片が一杯となった様だ。
 これが個人輸入だとそのキャンセルに苦労する様だ、手数料が掛かっても業者を使ってのオークションはその辺が安心、これからも業者が入ったオークションで入札しようと思っている。                    2022.05.03           

 2024.03.21、久し振りに輸入代行業者から、「商品ページの内容と商品現物を照らして問題がないか、また日本への輸入は可能であるかの確認をします。」(米国の会社に到着時の確認)との報があり、翌日 「お客様の商品に対して、より詳しい調査や確認を必要としております。」「多少お時間を要す可能性がございますが、そのあとの状況につきましてはマイページのステータスに反映いたしますので、そちらをご確認ください。」との報が入っていた。    その状況は以下の写真(一部)をご覧頂きたい。

購入予定モデルで既に購入額の振込済
1/43 製造メーカー不明 Rick Mears 1983  No.2 PC-10  Pennzoil Penske Cosworth Penske   
左前後輪が外れ、左前輪サスペンションが破損
ウインドウが損傷、左バックミラーが破損?

以前掲載した下記を参照されたい。
 事実は小説よりも奇なり-9  PENNZOIL モデルの悲劇と喜劇 22.10.30掲載
 事実は小説よりも奇なり-16   トンデモメーカー製PENNZOIL Indy Carは入手困難モデル                          23.07.30掲載
 
オークションで落札した時の写真(以下)

(参考写真)
自分で組み立てた様にも見える、ウインドウの接着が悪そうだ

 セダンタイプと異なり、フォーミュラカーは4輪が剥き出しなので取り扱い注意なのだ。 
 懇意にしているフィニッシャーは車体と台座をテープで固定(車体に傷が付かない様に配慮し)、その全体をアクリルカバーで覆い、更にもう一度テープで固定し送ってくる。 

懇意にしているフィニッシャーの輸送法

 外国では(特に米国)、飛行場での取り扱いが酷い動画が見られるのに、この業者はモデルを単体で箱に入れ、多量の紙の緩衝材を入れて、送ろうとしていたらしい。

モデルを取り出した後、この上に更に緩衝材が入っていても、これじゃ壊れるのは当然だ

  もう暫くすると、もう一台のPENNZOIL Indy Carが送られてくるが、到着するまで心配の種は尽きない。   
 なお返金手続きは進行中、返金のトラブルが無いので、手数料を払っても業者を介在させた方が安心と言える。          追加改変 2024.03.23

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