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3.忙しすぎると大変だが、暇になったらまた大変。派遣先で学んだこと。人間万事塞翁が馬。


若い頃の仕事の話を、もう一つ。

1つ目の会社の20代から30代前半は、忙しく残業続きの年が大半だったか、中には仕事の切れ目や、予定の案件がなくなったり、急に仕事がなく暇になる時期も何回かあった。

暇になったときの良さは、何より早く帰れること。

土日も休めて身体は楽をできるし、数日の有給休暇と土日を絡めて、海外旅行なんかにも行ったりした。

その点はいいわけだけど、
暇ということは、当然に会社の業績はよくない。

とくに自分のいる部門の売り上げが落ちて、先行きの仕事も見えない状況になると、いろいろな影響がある。

他のプロジェクトの手伝いとかもするが、それでも、このままだと売り上げ的にまずいとなると、手の空いてる人は社外に時間売りで出されることがときどきあった。

拒否はほぼできなかった。人材派遣の会社ではない会社だったけど、仕事がなくて人が余れば、その期間だけ、どこかの外部のプロジェクトに派遣されて、そこの管理下でプロジェクトに参加する。

会社には、月1,2回、勤務表をつけにくるだけになり、
派遣先のプロジェクトの場所に席を与えられ、大半はそこで仕事をすることになる。何年も帰ってこれない事例もあった。

私も約1年と約半年の2回の派遣を経験した。

正直、派遣で行くのは嫌だった。
暇ならゆっくりしたかったのに。全員が行かされるわけでもなかったので、なんで自分がいかないといけないの?、って落ち込んだりもした。

行った先の一つ目の派遣されたプロジェクト、
誰もが知っている有名企業の大きなプロジェクトの末端の作業者だった。

元請の大手ベンダープロパーの社員は2割ぐらいで、プロマネやリーダークラスだけ。あとは技術派遣からフリーランスのエンジニアまでの多種多様な会社からきている人たちの混成チームとなっていた。総勢で100人以上のプロジェクトだと思う。この規模のプロジェクトに参加するのも初めて。機能やソフトごとにチームやサブチームがいくつもわかれた大きなプロジェクトだった。

しかもこのプロジェクト、いわゆる炎上プロジェクトになりつつあり、とにかく人をかき集めていた。
私も簡単な面接をして即来てくださいとなった。

まあね、場所はね、大部屋なんだけど、狭いところに押し込まれるイメージね。夜も昼もなく、人が出入りしてて、深夜でも人がいた。これはすごいところにきたなと、最初は思った。

でも思わぬ収穫があった。

まず自分の会社のプロジェクトとは違う、他の会社のプロジェクトに参加できたということ。

プロジェクト管理のやり方がいろいろ違う。炎上しつつあるとはいえ、やはり、大手ベンダーのリーダーのする管理や、これだけ大きなプロジェクトをまとめていくために、体裁やフォーマットとして、いろんなルールや規則やら、プロジェクト管理体制としては整えられていた。それでも一番上のPMの人は、あまり話す機会はなかったけど、かなり大変そうでした。

そして2点目。他のいろんな会社のメンバーとチームメンバーとして組んで仕事をしたこと。やはり取り引き先ではなく同じチームとしてやるとまた違う。

他の会社では、テストするにしても、プログラムのクラス設計をするにしても、レビューのやりかたや、コーディングにしても、ツールひとつをとっても、どんなやり方で進めるのかを知れたし、みんなプロのエンジニアだった。(そうではない人もたまにはいたけど。)

自分の改善になり、学びになり、まあ楽しいとまではいえないが、良い経験にはなった。

派遣に行ったことは、いろいろな意味で自分の仕事のやり方にプラスになった。

プロジェクト管理という言葉は、初めて意識したのは派遣で行ったプロジェクトでの運営、管理方法、WBSや進捗管理の方法、人の多い大きなプロジェクトでの会議や情報共有方法など、どれも、すごく参考になった。

その後の会社に戻って実施するプロジェクトでも取り込めるものは取り込んだ。

そのときの大手ベンダープロパーのチームリーダーの人から、プロジェクト管理手法を本当の意味で学んだ気がした。

①暇になって早く帰れてバンザイだ、と思ったら、
  ↓
②暇なために仕事がなく派遣に出されて、落ち込む。
  ↓
③派遣に行った先で、1人の作業者として、他の会社のプロジェクトに
 参加することで、いろんなことを学び、またいろんな人の技術を
 知れた。

人間万事塞翁が馬。

いいことだと思ったことが、
実はよくなかったことになるかもしれないし、

よくないことと思っていたことが、
案外それもよかったことになるかもしれない。

もう一つ派遣に行ったプロジェクトがあり、それは新規開発ではなく、改修案件、というか、ずっと継続して改修してはリリースしてる感じのだった。新規開発とはまた違い、マイルストーンや取り込み時期を決めて、少しずつ改修していくのと、ユーザからの問い合わせや問題解決もあり、運用みたいな側面もあった。そこまで規模は大きくないプロジェクトだったけど、学べることはあった。

もうひとつだけ。

どんなに会社に貢献してると思ってもいざとなったら、
会社は、会社の都合を優先する。

会社に貢献してきたつもりなのはひとりよがりであり、幻想かも知れない。あっさりどこかへ行かされたり、冷遇されたりする、ということ。これを肝に銘じるべき。

会社とはそういうものと考えて、期待など持たない。
いつでも辞められる備えを。

実際、どこの会社でもあることだろうけど、すごく優秀な人が冷遇されるのを見たし、表だっては受け入れたようでいて、だいたい半年以内には、そういう人は転職していった。

優秀な人材こそ宝じゃないのかなと、思うし、会社はトータルすると損をしてるはずなのに、どんな経緯があるのかは私にはわからなかったが、そういう疑問な人事がときどきあった。

どんな仕事状況でもプラスにできることは、あるかも知れないけど、みんなが嫌な仕事も確かにある。

いやなとこにいかされた、と思っても、腐らず、冷静に自分の状況を考えてみる。実は案外プラスになることもあるかもしれない。

冷静に見てもなんのプラスもなく、これは我慢ならぬ、なら、断固拒否してでも行かないのでもいいし(だからといってクビにはならないはず、そういう人もいた。)、あるいは受け入れたふりをしつつ、転職活動して転職する。

会社について、変な期待を持たず、関係性はドライに考えておけば、とくに落胆もない。

私はどの会社も嫌いではなかったし、むしろ好きだったけど、でも会社に尽くそうとかは、思うこともなかった。

また次は転職の話を書こうと思う。

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