棘は深く刺さると取れない

学生時代、母からあることを言われました。

「アンタは頭が固いから社会に出た時、大変かもね」


その時はそんなことないと思いましたし、言いました。

でもその言葉は大人になって世の中を知った私に深く突き刺すのです。

何故って?

なぜなら、似たような事を私の尊敬する人から言われたからです。


経験が無いなんて私が1番知っている


私には尊敬する人がいます。

私がどん底にいる時に出会い、考え方や物事の捉え方を教えてくださった方でした。

似たような業種だし、人生の先輩なので憧れるのです。

以前、その方の個展に久々に会いに行きました。

笑顔で出迎えて下さり、たくさんの人から人気者なので忙しなく動いていらっしゃいました。

そして二人で話すタイミングが訪れ、私はぽつりぽつりと養成所に落ちたことやアドバイスをくれたのに不合格通知を貰ってしまったこと、これからのことを話しました。

その方は最後までうんうんと頷いて聞いてくださいました。

そして私の話を聞いた結果、その方がくれた言葉は

「青犬さんは世渡り上手ではないですね。それに圧倒的に経験が少ないです。もっと人と関わったり、たくさんのことをしましょう」

その日もたくさんアドバイスや話を聞いて
キャパオーバーになりながら帰りました。

人生23年の新人です。もちろん、経験なんて人生の先輩方に比べたら毛が生えた程度でしょう。

答えが見つかった気がして泣いてしまいましたが、よくよく考えれば大きな大きな壁。

やりたいことをやっていこうと決めた。

あとは突き進むだけなのに、なんでこんなにも涙が溢れるのだろう。

もっと青犬さんは傷ついた方がいいです。その覚悟を持ってください。

その覚悟で東京に状況した。まだ足りない。

まだ甘かった。私はまだ甘かったのだ。

もっと頑張らなくちゃ。

でも心が泣いてるのに?

じゃないと誰にも見て貰えない。

こんなに傷だらけなのにまた傷つくの?

頑張らないと私の夢は叶わない。

その前に頑張った私を見てよ

そんなのいつも見てるよ


その日の朝は気分爽快とは言えませんでした。

学生時代のあのちぐはぐの時期に戻ったようでした。

きっと人生を上手く生きている人なら、自分を褒めて共に行こうと言えるのでしょう。

私は不器用でうまく世間を歩いて行けないようです。

自分の中の化け物と喧嘩をして、殴り合いながらも私は進むしかないようです。

気楽に生きられるにはまだまだ長い道のりです。


ああ、それでは。

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