季節に飲むカクテル:ミモザ

季節が移ろう
朝の冷え込みはそのままに、明度が高くなってきた
首をすくめて歩いていた通勤路を、顔を上げ背筋を伸ばす
風を切るように

通勤途中にある花屋の店先にミモザの束が並んでいる
ふわりとした黄色いたくさんのぽんぽんが豊かに枝垂れている
春だな やわらかな感触だった

 ミモザ、か
シャンパンとオレンジジュースのカクテル
オレンジは果実感があって、苦みが効いていてほしい
季節が移ろう
会いたい人を思い出すみたいに、ミモザについて思いを巡らせる
今日は一杯だけ ミモザを飲んで帰ろう
鮮やかな黄色が、そよぐ風のふわふわした感触が首元を吹き抜ける
午前7時

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