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今日買ったレコード11.4.23

今日買った2枚のレコードを紹介します。

collin walcott / grazing dreams (ECM, 1977)

 まず1枚目はアメリカ出身のマルチインステュルメンタリスト、collin walcot氏による2枚目のソロアルバム、「grazing dreams」(邦題:「朝の詩」)です。

なんとなくジャズの棚を見ていたらとてつもない存在感を放っているレコードを見つけてしまったので、5千円という貧乏大学生には手の出しづらい値段にも構わずジャケ買いをしてしまいました。ジャケ買いにこんな値段を出したのは初めてです。

いやー、それにしてもなんと美しいジャケットでしょう。黄色と青色の色使いが最高な上、白枠ジャケというところも個人的なツボにハマってしまい購入せざるを得ませんでした。白黒ジャケと白枠ジャケにはつい手を出してしまいがちです。

さて、ジャズに関してほとんど無知の自分にとってこのcollin walcottというアーティストは全く知らなかったのですが、ウィキペディア大先生によるとエスノジャズ界隈では結構なビッグネームなようで、70年代電化マイルスの名盤「on the corner」にシタール奏者として参加していたりと功績がある方のようです。


裏ジャケの参加ミュージシャンの欄を見てみても自分の浅薄な知識ではドン・チェリーしか見覚えのある名前はなかったのですが、他の方々の情報を調べてみると皆さん膨大な数のECM作品に参加している凄腕の方々ばかりのようで、かなり豪華なメンツで作成された作品であるっぽいです。

そして、肝心な中身なんですが、針を落とした瞬間異世界にぶっ飛ばされるような、東洋志向のかなりスピリチュアルな内容でした。これに関しては正直少し肩透かしを食らってしまいました。なぜかというと、あまりにも表面のジャケットに見惚れすぎて裏ジャケの使用楽器に注目せずして買ってしまったからです。しかし家に帰ってきてまずまずとジャケットを眺めているとそれが青空の下で黄金に輝く砂漠であることに気がつき、中身に関するヒントは十分に示されていたようでした。

しかし肩透かしを食らったとはいえ、普段聞いている音楽とはかけ離れた音像の中にも心惹かれる瞬間はいくつかありました。まずアルバム全体を通してドンチェリーの演奏が心にスッと入ってくる感じがして、なんだかとても心地が良かったです。もちろん音選びは緊張感のあるものなんですが、支離滅裂な感じに吹き荒れるのではなく、伸びやかなフレーズを多用する演奏はその音色も然りマイルスの「bitches brew」といった作品に通ずるような気がして、今までフリージャズのイメージしかなく個人的に少し苦手意識があった彼の音楽への印象が変わりました。また個人的なハイライトはA面2曲目のgold sunという曲で、中東味の溢れるフレーズをループするベースとパーカッションに誘われ、その上をアコースティックギター、シタール、トランペットが浮遊し、まさにジャケットの写真のような砂漠かアラビアンナイトな世界にトリップするような気分を味わえます。この曲においてもドンチェリーの存在感はすごいです。そしてギターもパットメセニーのような浮遊感ある演奏で素晴らしいです。

そして、このアルバムを通して思ったことがもう一つあって、それはどの楽曲においても奏者の中の誰か一人がその空間を支配するような瞬間があまりなく、それぞれの楽器との間に空間を感じながら秩序を意識した、民主的な感覚または緊張感が通底して感じられるということです。アンサンブルの中にドラムがいないというのもこのアルバムの一つの特徴と言えるでしょう。この独特な空気感がいわゆるECMっぽいサウンドなのかもなとも思いました。その辺はもう少しECMのレコード聴いて確認してみようと思います。


the pentangle / the pentangle( transatlantic records, 1967)

 2枚目は1967年に発表された、ペンタングルの1stアルバムです。このアルバムは元からすごく好きで何回も聴いているアルバムで、普通に名盤なのであんま書く事はないです。

個人的にはフェアポートコンヴェンションよりこっちの方が好きです。ここまでアコースティックな編成で格好いいバンドまじでいないと思います。あとはレッドツェッペリンのアコースティックな曲くらいです。そのくらい純度高いです。メンバー各々の才能エグい。ギターの二人は言わずもがなですが、テリーコックスとダニートンプソンのジャズ出身の二人が生み出すグルーヴ半端ないです。ブリティッシュフォーク然としたボーカルも最高です。ボブディランよりこっちの方がフォークロックという呼び名は相応しいと思います。




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