「食堂み」の女たち14

四人が響子の部屋に集合した。「はい、これ」と、響子は札と小銭を全て机の上に置き、美奈の前に押した。「ようけあったわ。盗み取られた金には及ばんかったけど」
数えると七万と五百六十三円だった。
「ええよ、これでじゅうぶん。一円玉も持ってきてくれたんやね」「あったりまえや!すっからかんにせな気がすまんわ」
盗られた六十の禿げ頭の顔を見たいもんだと、四人で大笑いした。

マスク越しであるが、浅井則子の笑った顔を響子は初めて見た。


続きは明日

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