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V35 為になる本『10代からの政治塾』

  by 泉 房穂 元明石市長 1963年生まれ 61歳


はじめに

今の日本に政治家はいない、だから君にこそなってほしい!


D-1、そもそも政治って何のためにあるのか?


AAA 人は一人では生きられない、そのために政治がある
・複数の人々の中で暮らすには、ルールが必要だ
・そのルールを定め、社会がうまく回るように運用して
 いくことが政治
・政治は選挙の時だけ参加するというものではなく、
 選挙権のない若い人たちも含め全国民が常に政治と
 ともに生活している
 ・ルールには「条例」「規則」「政令」「省令」「法律」そして
 「日本国憲法」がある。「憲法」は、権利を持つ人に制限を
 与えみんなの生活を守るためのものである

BBB 「人は、自由で平等」を説いたルソーを知っておこう!
人間社会は「自由で平等」な個人間の契約で成り立っている
=『社会契約論』

CCC  三権分立 
均衡を保つことで、権力が一箇所に集中しすぎなように
した仕組み(しかし実態は、権力が内閣に集中している)
「立法権」(国会)
「行政権」(内閣)
「司法権」(裁判所)

 DDD 政治家の仕事とは
まずは、「目の前の市民一人を助ける」こと。
たった一人の市民と向き合い、彼らの声に耳を傾け、彼らのためにできることを実践していく!これが行政の一番大切な部分だ。


D-2、政治の仕組み 国会議員と地方議員って何が違う?


AAA 政治家のジャンル
【国会議員】
  国民が抱える問題点を取り上げて、法律を作ったり
  予算を決めたり、外国とやりとりをする。
【地方議員】
  その地域に住む人たちの問題を取り上げ、条例を作ったり、
  予算を決めたりする。
【都道府県知事・市町村長】
  都道府県市町村のリーダー、首長

BBB 政治家と官僚(真逆のスタンス)
・政治家は、方針転換をするもの
・官僚は、現状を維持するもの
 「最良の官僚は、最悪の政治家である」
 by マックスウエーバー

CCC 政治家に指名されて決まる総理大臣(議院内閣制)
・市民に選ばれる(直接選挙)知事・市長・村長
・ 現場主義をつらぬけば、おのずと市民の共感は得られる。
・絶対に味方になってくれる人それは市民達=市民からの共感

EEE 国と地方は対等な関係
・2000年『地方分権一括法』


D-3、なぜ、みんな税金を払うことにイヤがるか?


AAA 現代の私たちの生活は、税金がなければ成り立たない
・国で使われている税金は、国民が払っている。

BBB 社会保険と税金の違い(どちらも国へ納めているが)
・社会保険料とは、主に働いている人達が納めるお金のこと
ex, 健康保険、介護保険、雇用保険etc
      ピンチの時にも生活を支えてくれる仕組み
  (困っている誰かの助けになる!)
・税金は、国や地方自治体の財源として納めるモノ

CCC 今の日本では、税金を納めてもご褒美がない
・50年前の税金・社会保険料の国民負担率は約2割だった
・2022年現在は、47.5%
・財務省(税金)と厚労省(社会保険料)のダブルパンチ
・官僚達は「国民のため」と思って実践しているが、
 結果的には、「増税」と「社会保険料」の値上げ

DDD 政治は常に他人事という日本人の特徴
〜なんのために税金を納めているのかを理解しよう!〜

EEE 予算についての考え方
・マスト=国を豊かにすること、子ども政策にお金を使う!
・ベター=した法がいいことだが、、、判断基準を明確に!
・メイ =してもしなくてもどっちでもいいこと→cutすべき
・ドント=やってはいけない!(私利私欲のためetc)


D-4、政治家になるためにまずは選挙に出よう!


AAA だれでも一人1票
・選挙は美しい制度
・一定の年齢になれば誰でも政治家として立候補できる
・どんな人も18歳以上になれば一人1票の投票権

BBB 50万円あれば立候補できる!
お金がなくても勝てる!

CCC 大切なことは『語る言葉』があるかどうか!
・本物の気持ちで「語る言葉」があれば、共感を生み、
 知名度につながり、貴重な一票となって返ってくる!

DDD 選挙で一番大切なのは、「具体性」と「リアリティ」のある
    はなしで、市民の共感を得ること!

EEE 選挙は7割の市民の賛同を得られれば勝てる!
・投票率は4〜5割、低い理由は「投票したい人がいない」
 だから、「選挙に行こう」ではなく「選挙に出よう!」


D-5、政治家に必要な能力は3つ

・心の内側から湧き出る『情熱』
・他人に流されずに、方針転換するための『判断力』
・そして、市民に対する『責任』

AAA 政治家は権力を持つから甘い誘惑も多い
そんな「悪魔のささやき」に打ち勝つ勇気を持て!

BBB 学歴も大事だが、それより大切なのは人の「悲しみ」に
   対して共感できるかどうか


D-6、日本をどんな国にしたいか?


AAA 世の中の9割は思い込み!
   間違いに最初に気づくのは市民!

三権分立は正しい!?、政治を執るのは官僚だ!?
大人になったら結婚して子どもを産むべきだ!?
すべて権力は王様にある!?=すべて、思い込みだ!

BBB 右派(保守)・左派(革新)ではなく、「市民に近いか」
   遠いかで考える

・人は、目の前で溺れている誰かを助けずにはいられない
 これこそがリアル! 
 
CCC 人生で忘れてはいけない「3つの発想の転換」
1、「上から」という考えからの転換
  →自分がどう思うか!
2、「一律」という考え方からの転換
  →皆一緒がいいよりoriginal!
3、「これまで通り」からの転換
  →時代は変わる!その時代の君達の考え方が
   スタンダード「標準」になる!

  DDD  政治家に必要なモノ『優しさ』『賢さ』『ほんの少しの強さ』


おわりに

ひとは生きているだけで価値がある!一方でひとは生きているだけで罪深い動物。そうした人間臭さが人の魅力であり、それはある種の「寛容さ」で政治家に必要な「資質」の一つ。

kentakunte私見 

この本は「10代からの政治塾」だけの本ではない!すべての日本人のための本だ!最初に読ませて頂いた『社会の変え方』by泉房穂氏現役明石市長時代の頃の真っ当な政治家としての「政治体験」提言書に続く、国民・県民・市民の政治に対する考え方・接し方を諭してくれる逸品だ!
  
これは、よくありがちな「政治不信を嘆くだけ」の人生から脱却し、常に生活とともにある政治との接し方、行動の仕方までを指し示し、悔いを残さない生き方をする人生の教本なのだ

2023年5月広島G7サミットで、世界主要7カ国はこれからの経済指標として『幸福度』を提唱した。そして今年3月20日世界幸福dayに、2024年度版世界幸福度ランキング(WHR=world happiness report)を発表!
1位 Finland
2位 Denmark
3位 Iceland
4位 Sweden

日本は、51位

GDPは競わなくとも、SHS(subjective happiness scale)は、これからの若者社会を考えると上位に居たいと切に思う!

昨日3月28日第213回国会本会議において来季予算案が通過した。政治不信が高まる中での国の税金の使い方に、デフレ脱却を謳っている岸田総理は満足げであったが、未来の若者世代がこれから必要となる億ションにますます手が届かなくなるのではないか?衣食住が満たされない社会の幸福度は当然ながら低くなる。泉 前明石市長の言われている予算の決定方法は、マスト・ベター・メイ・ドントの考え方。残念ながらそうは見えない。

幸福度ランキング世界一位のFinlandのBasic Income制度の実証実験reportとの考え方の違いに、日本の未来社会におけるSHS指標が上位に来ることは当面困難なようである。

求む!真っ当な政治家!末尾ながら、本書をお勧め頂いたPMJ黒瀬先生に謝意を表す。        

kentakunte       


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