これは買わなくていい!和装アイテム紹介

和装初心者は何をどう買えば良いのか分かりませんよね。私は独立までは母親にお任せで、その母親が『理詰め』を毛嫌いしていたことから、感覚的に覚えるしかありませんでした。

本稿ではそんな私が独立後着物に目覚め、あれこれ試した結果『使えない』と判断したアイテムを紹介しますぞ。


●これは要らなかった!断捨離の果てに……!

これは役に立たないよ!という、着物初心者向けの安価なセットにありがちなアイテムをぱっぱと挙げるよこのやろう(発狂)

  1. 化繊のヒモ類

  2. 同じく化繊の伊達締め

  3. 同じく化繊の長襦袢

  4. 同じく化繊の帯

  5. 木綿の裾よけ

  6. カッチカチの帯枕

  7. ウレタン草履

  8. 形だけが足袋の足袋でないもの

なお、私は化繊すべてをディスるのシルク一神教の信者ではありません。洗える着物は雨の日に大活躍しますし、上質な化繊の長襦袢は半衿の付け替えの手間なく洗濯機にポイできる優れもの。おばあちゃん世代のものより確実に進化しており、使い方次第で便利アイテムとなることを断っておきませう。

●安かろう悪かろう

  1. すべります。締まりません。するっとほどけます。何の意味があるねんコレ。ばっ!ですか。ヒモは高いものではないですから、モスリンなどの天然素材のものにしたほうが、結局は長く使えてしっかり絞まってコスパ良いです。

  2. こちらも締まりません。正絹をオススメします。1本3,000円以内で買えますので、襦袢と着物の2本でも諭吉サンを持ってけば買えるんですよ。特に初心者は締め具合を上手く操作できないので、ヒモも含めて締めものは『絶対に!』天然素材を選びませう。

  3. 化繊の長襦袢は、冬は寒くて夏は暑いです。肌着に天然素材を使っていればあまり気にならないのですが、盛夏や厳冬では何かの修行。素材も硬めなので長着が正絹だと、サイズが合っていても振りが飛び出してきます。

  4. ここも『締めものは天然素材』の法則。化繊の絽帯を買ったことがあるのですが、これがまぁ締まらない。天然素材の帯のシャキッと締まる感覚はなく、帯締めと帯揚げで無理矢理固定することになります。当然シンドイ。何なら帯締めが少しずつ滑って落ちてきます。

  5. 天然素材なら大丈夫と思ったそこのお嬢様……。裾よけにもしっかり罠が仕掛けられてます。例えばウールなどの普段着や、絽などの比較的上品な浴衣。浴衣は絹混の高級品でなければたいていは木綿です。木綿やウールの長着に木綿の裾よけを重ねたら、摩擦の関係で下半身がガチガチに固定されるか、広がればモサモサして裾よけがその役割を果たせなくなります。正絹の裾よけも5,000円程度からありますので、そちらを用意するのが良いでしょう。

  6. 帯枕は柔らかいものをオススメします。安価なセットに付いているのは硬い枕が多い。みぞおちが痛い。背に添わなくて安定しないし、ヒモも細くて身体に響く。ここは素直に柔らかい枕をガーゼで包んだものを買い、背中とみぞおちを労りましょう。特に食べ歩きをしたいお嬢様には死活問題となります。

  7. 最近の女性は甲高なのでしょうか。安価なウレタン草履は鼻緒がスッカスカです。履物屋さんで草履を買えば鼻緒はキツめにすげてあり、履いているうちに本人の足に合わせて伸びてくれるのですが、1,000円台の安いウレタン草履はぱっこぱこです。足袋を履いていても滑りますし、草履が足に添ってくれません。

  8. 足袋でも靴下でもない中間型のこのタイプ。格安レンタル着物屋でこれを与えられるそうですが、コハゼがないのですぐに分かります。本物の足袋は底の特種な織りによって滑り止めとします。一方このタイプの『足袋っぽ靴下』の底はゴムのツブツブで滑り止めをしており、そのゴムがなくなればただの靴下と化します。

●肌に近いものと締めものだけはお金を掛けよう

以上のことから、長着は何でもよいので肌着や締めものにはちょっと奮発したほうがよいと考えます。特に帯は、軽量な半幅帯でなければ天然素材が良いでしょう。また、女性の和装のキモといえる『腰ひも』も、ホールド力のある天然素材で。

和装小物は安価ですから、そこだけはお金を掛けるか、着物好きを公言して譲ってもらうかしたほうが初心者は着やすいと思います。オール化繊だと本当に苦労しますので、シルク信者のおばあさまの言うこともある程度は聞いたほうが良いですよ。

そうして着やすいもので着物の練習をしてから、自分のライフスタイルに合わせて化繊を取り入れて行くほうが結局は着物がイヤにならなくて済みます。

以上ご参考まで。

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