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ショートエッセイ はなやぐ本たち

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出会いの必然性は 本にもありそうな気がします知らない町のはじめての書店や 通いなれた本屋さんでその日 その時 その場所で すてきな本に出合える幸せですそんな出会いを書いていきたい… もっと読む
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記事一覧

ショートエッセイ はなやぐ本たち⑦マリー・ローランサン「夜の手帖」

「あなたの目の前を過ぎていった  その日の埃と思い出  白い花瓶の中の葉むら  涙にくもっ…

林霙
8か月前
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ショートエッセイ はなやぐ本たち⑥「セァラ・ティーズデール詩集」

「海、私が死にも打ち勝てると思うのは海のためだ。 一刻とはいえ心燃え立つのも海のためだ。 …

林霙
9か月前
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ショートエッセイ はなやぐ本たち⑤ルネ・ヴィヴィアン詩集「菫の花の片隅で」

「私は流謫の身で、時は重くのしかかる。  光り輝く真昼の美しい太陽もむなしく!  夜にな…

林霙
9か月前
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ショートエッセイ はなやぐ本たち④柳田国男「遠野物語」

「されば遠野郷の人は、今でも風の騒がしき日には、きょうはサムトの婆が帰って来そうな日なり…

林霙
9か月前
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ショートエッセイ はなやぐ本たち③森茉莉「恋人たちの森」

「下北沢駅の近くの「茉莉」という酒場で、パウロはギドウを最初に、見た。」(森茉莉「恋人た…

林霙
9か月前
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ショートエッセイ はなやぐ本たち②「野村英夫詩集」

「水色の市街電車が  走って来た。  水色の市街電車は  蝶のやうに停った。」 (野村英夫「…

林霙
9か月前
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ショートエッセイ はなやぐ本たち①「風立ちぬ・美しい村」

定番中の定番ですが、書かれたのは戦前とのこと。 今もアニメ映画になったり、変わらぬ魅力を輝かせている堀文学の世界。 古い新潮文庫の表紙は、そのまま抒情の世界に引き込まれるようです。 大切な一冊です。(ちなみに近所の古本屋さんで買いました。そのお店も数年前に閉店になり、さみしい気がします)