記事に「#ネタバレ」タグがついています
記事の中で映画、ゲーム、漫画などのネタバレが含まれているかもしれません。気になるかたは注意してお読みください。
見出し画像

映画「カラオケ行こ!」13回目(応援上映)を見た後の私的な覚え書き。


⚠ネタバレしかない。 
⚠オタクの私的な覚え書き。
⚠オタクの妄言多謝。
⚠「カ!」原作は、映画前に一度読了済みだが、原作との違いをあーだこーだ言うつもりは一切なし。 
⚠「ファ!」未読。



応援上映参加、今日という日に、意地でも残業したくない+いつもの低血糖症状が出始めたので、定時1分にタイムカードをきってやったオタクです(ドヤ)

今の職場は、それこそ、ももちゃんセンセと同じく、産休の方の代わりなんで、一応、契約期間を就業前に事前に明示されて「ほな、この期間まで頼みます」となっていたから、こちら側としては、その期間で契約終了になると認識していたのに、昨日突然、3ヶ月ほど期間延長で更新しましょ、みたいな話がきた。
なんでや。
何があったかくらい、説明しろや。

いちいち、細かい連携が大事やとか言うわりに、こちら側の人間に対しては、なんの連携もないんやなーと、呆れてしまった。
まぁ、聡実くんが言うように、大人は「汚くて、アホで、不条理」なので、そこそこ長いものには巻かれますけども…

それでも、やはり納得できかねて、イラつく+低血糖で思考力低下→神経性胃炎なのに、モリモリな唐揚げ定食を食べてしまったよ…応援上映で大声だして、消化されることを切に願う。
しかも、その後、産休の人が戻ってはくるけれど、違う部署に異動になるらしい情報を裏ルートで入手、イライラがピークに達し、映画に行く前の短時間で、ショートケーキも早食いしてもうた…(吐)


認識の違いというものを、続けて。
893大集合カラオケ教室のくだりで、大型肉食獣がたくさんいる密室に、聡実くんが捕獲された小動物のように、狂児に連れ込まれて(言い方…)怯えるシーン。
自分の右腕に、必死に両手でしがみつく聡実くんに「怖ないて。みんな、子どもには優しいで。あの人なんかな、幼稚園のセンセやっとったんやで」と諭すみたいな口調で言う狂児に対して、聡実くんは怯えたままで「…無理がありませんか」と、返す。

狂児という男の認識では、自分たちにとって、赤子の手をひねるように、簡単に、その命を狩れる、脆弱な子どもである聡実くんに対して、893という、ある意味、暴力ごとではヒエラルキーの頂点にいる自分たちが、自分たちのほうから、何かをすることは無いだろうと思っている発言なような気がする。

そして、過去に幼稚園という、世間一般的には、その善性を前面に押し出さないとやっていけないような職業に就いていたことを、パッと見からして、疑わしく思われる同僚を、ここで優しさの例えに出してくる思考が、聡実くんとは、既にズレている。
その認識の違いが、両者が住む、互いに違う世界の境界線であり、その線が交わることは一切ないと思われる、平行線に位置する高い壁または、深い溝。

この一連のシーンも、後から出てくる宇宙人カバン一撃シーンと一緒で、狂児の態度は、一貫して、最初から最後まで凪いでいる。
ハイエナの兄貴が「たんぽぽ」言われて、攻撃的になるところと、♪白日で、聡実くんに「カスです」って評された仲間の暴動を仲裁のために、ちょっと声を張ったり、軽く威嚇したりするけど、基本的には、その心は、一定のまま、落ち着いていて、その状況は、狂児にとっての893あるあるな世界線であり、日常的に起こる、些細で普通なことなんだと思わされる。
けれども、聡実くんにとっては、あまりに異質な異世界に、突然放り込まれた感覚だったのではなかろうか…恐怖で思考が塗り固められ、言葉が出てこないくらいの恐ろしさ。
そら、そうやろ、普通の中学生じゃなくとも、めっちゃビビるっちゅうねん。

狂児との関係性が、まだ薄い前半の893大集合カラオケ教室では、その後「もう無理です…これ以上、付き合えません」って、拒否してしまうけれど、後半の宇宙人カバン一撃シーン後では、狂児の存在をまるごと受け入れて、狂児との関係性も、より深く濃くなっているので、聡実くん、893の異世界観への恐怖心をあまり引きずらない、というよりも、自分のピンチに、降って湧いたように助けに来てくれた狂児への、好感度が上昇したのが…(遠い目)
その、聡実くんの心の動きが、なにより、狂児という人間への信頼に思えて…狂児ィ、良かったなぁ…って、心持ちになる。

自分の日常が、他者にとっての非日常と成り得ることを、聡実くんに怯えられて「もう無理です」と、拒否されるまで、狂児は気づかなかったし、真っ黒な闇に染まってしまった男は、自分のことを受け入れてくれた眩しい光が、自分がいる世界とは、もともと相容れないところにある存在だという事実を「歌がうまくなりたい」という、自己の願望を優先した結果、頭の片隅に放置したのではないだろうか。
狂児が言う「そうか、ほな仕方ないな。聡実くん、中学生やしな…悪かったな、怖い思いさせて」という台詞のなかに、狂児が本来、持っている優しさとか、きちんと他者を思いやれる心とか、そういった善性を感じるのと、ようやく、自分の願望を優先するのではなく、聡実くんの心に寄り添ってくれた感じがして…お前ェ…もっと早く気づけや…と、軽くオラつくけど、な。



応援上映自体は、都内でもその日がラストだったのか、平日の夜だというのに、チケットは完売。
ほぼほぼ女性、お友達同士が多い印象。

そこまで大きくない劇場は、なんだか和気あいあいとした雰囲気で上映が開始され、狂児へのツッコミもさることながら、聡実くんに対して「…かわいい」「かわいぃぃぃ」という、本音トーンの心の声が、うっかり垂れ流しな感じの方も多くて、非常に親近感。
かわいいものは、かわいい(真理)

そして、やはり和田くんと、聡実くんのお父さんが大人気だし、中川さんの「わぁ〜だぁ~」も、皆さん、声が揃ってて、笑った。
ほかに、よく聞こえた声出しは、聡実くんへの「逃げてー!」→これは、前半よくツッコまれていたのと、狂児と聡実くんのシーンで「近い、近い!!」…良かった、みんな、思うことは一緒なんやなと、安心。

あとは、狂児への「足が長い!」も多かったし、後半の聡実くんと狂児がイチャコラするシーンでは、必ず「Fuuuuuuーーー!!」っていう掛け声?…掛け声ちゃうか、なんやろ…盛り上げる感じの声が、沸き起こっていて、この「Fuuuuuuーーー!!」の最高潮は、エンディング後の、あの狂児の右腕が見えた瞬間、8割の人が「Fuuuuuuーーー!!」って言ってた。(もれなく言いました☆)
会場の心がひとつになった感じで、楽しく鑑賞終了、えぇ思い出や。


こんなふうに、ひとつの映画を、全く知らない人たちと見て、楽しさを分かち合えるって、本当にすごいことだし、きっと、そういう特別な見方をしたら、この映画のことを思い出すたびに、楽しい気持ちにもなれる。
すごく幸せな時間だったなと、思います。

あと、この映画が大きなスクリーンで見られるのも、残り数回と思うと、本当に寂しいですが、狂児の憂いを帯びた、低く響く声や、聡実くんの、天使たり得るかわいらしさと、身を切るような、愛の叫びを聴くために、また今週末も、足繁く映画館に通う所存。

◆追記◆
営業スタッフの販売実績を毎日毎日、メールしてくる部長さんがいて、今日のメールの本文に「よろぴく」って単語を発見し、三度見した。
「よろぴく」って挨拶、狂児が使ったときでさえ、震えたけれど、ただの普通のオッサンが使ったら、本気で殺意さえ湧くんやな、と思った次第。
綾野“狂児”だからこそ、許されることって、ものすごく多いと思う。