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映画「カラオケ行こ!」7回見た私的な覚え書き。



⚠ネタバレしかない。
⚠オタクの私的な覚え書き。 
⚠オタクの妄言多謝。
⚠「カ!」原作は、映画前に一度読了済みだが、原作との違いをあーだこーだ言うつもりは一切なし。 
⚠「ファ!」未読。





スキという、理性では、完全に制御できない感情に突き動かされて、連休最終日も映画館に向かってしまうジャンキーですが、どうでしょうか?(委ねるな)

同じ映像ばかりを、あんまりにも見続けているのに、一向に気持ちの終着点が見えてこなくて、そんなに現実世界がイヤなのかと、自分自身が心配になるレベル(照)
まぁ、大人の世界は、聡実くん曰く、汚くて、アホで、不条理なので、毎日疲れるのは、いた仕方ない話。

これまで生きてきたなかで、こんなに、自分のスキという気持ちに、まっすぐに、素直になった記憶がないので、スキという原動力は、ものすごいエネルギーだなと、しみじみ思う。
こんなに、朝早くから映画館に行こうとするなんて、それこそ、学生時代にコミケに行く時の朝みたいで、不安と期待が入り混じり、とても落ち着かなくて、ふわふわする。
けれども、もうすぐに、自分のスキなモノに出会えると思えば、にやにやするしかない、情緒不安定な、でも、すごく満ち足りた気分で、この「カラオケ行こ!」を毎回、見に行っている。
こんなダメ人間みたいな行動が、好き勝手にできるのも、せっせと、今まで真面目に働いてきたからかな…映画館のチケット代、我が家の家計に大打撃ですわ(自業自得)

見る回数を重ねると、それだけ、映像の色んな詳細部分にも、しっかりと意識を向けられるようになるのは、当たり前だけど、本当に、よく造り込まれている映画だなと、毎回改めて感じる。
映画を見すぎて、もはや一度しか読んでいない原作の記憶が、遥か彼方に霞んでくる始末…これが、沼か(多分、違う)

テレビドラマや映画なんかで、一瞬でも違和感を抱くと、そこが気になってしまい、最後まで集中できずに、見終わることが何回かあったけれども、この映画には、そういうストレスを全く感じなかった。
もともと漫画の原作ありきと理解しているので、基本ファンタジーを、さらに映像化するならば、多少の違和感は、いた仕方ないと思っていたら、聡実くん側の日常生活が、逆にリアルすぎて、強い衝撃を受けた。

文化部だった友人たちと感じる、映画を見る部での、あの、何を言わずとも、互いのことが理解できる、独特な空気感。
郷愁的な、あー、あったなぁ、この感じ…と、あの聡実くんの学校生活シーンを見て、ものすごく共感したし、元・合唱部(中高)だったこともあり、合唱コンクールに出場する、あの何とも言えないヒリヒリ感なども思い出して、ひとつひとつのシーンが、ひどく愛おしくなった。

たしかに、わたしたちも、あの聡実くんと同じように、クラスのベランダで、友人とダラダラと喋っていたし、和田くんのように、小さな世界で自分の正義を信じて、空気など読まずに行動する子も少なからず存在していて、今となっては、かわいいなーと思うけど、当時はやはり面倒くさいなー、巻き込まんといて、などと考えながら、成長期、あんなふうに、いつの間にか、生きてきたのである。

個人的に、文化部だったこと、性格的なものもあり、聡実くんと同様に、基本ローテンションで生きてきたが、実際、いきなり893、というか、あきらかにヤバい人種の大人と、初対面でカラオケに行き、まぁ、拉致られたのかもしれないが、途中からチャーハンをモリモリ食べて、狂児に「終始、裏声が気持ち悪い」と、はっきり自分の思ったことを伝えられる聡実くんは、ものすごく肝が据わっているんだと思う。
根性論ではないけれども、気持ち、心がすごく強い感じがする。
そんな聡実くんが、変声期で、ずーっと悩んでいるくらいだから、聡実くんにとっての合唱が、歌が、あの子にとって、ものすごい大切なモノだと理解できる。

ハイエナの兄貴が、たんぽぽの兄貴に成り下がってしまったショックで、呆然と、市民ホール前を通りがかる、ワイシャツすけすけな、水も滴る18禁物件については、そっとしておくが、あの何とも言い難い男の背中、からの♪影絵の合唱シーン。
聡実くんが精一杯、一生懸命に歌う場面の天使加減は、邪なオタクの目には、眩しすぎて…(祈)
多分、狂児にとっても、聡実くんを見つけた時、それこそ、雷に打たれたくらいの、衝撃的な感覚だったのかもしれないと思ったのは、聡実くんの声を「天使の歌声」と、評したから。
讃美歌での美しいボーイソプラノは、度々そんなふうに表現されるけれども、893な狂児から、それを言われると…なんちゅうか、信仰心とか、めちゃくちゃ良いカモ(資金源)としか、思ってなさそうなのに…と、いうか、な。

映画軸の狂児の在り方として見ると、狂児のその聡実くんの歌声に対する評価は、大人の手練手管、駆け引きなど一切ない、ストレートな称賛の感情から発せられた、それこそ嘘偽りない、まっすぐな言葉なんだろうけど、そのあとに続く「お告げやと思った」という思考も、なんちゅうか…なんちゅうか…

あの時の狂児的には、ハイエナの兄貴が、たんぽぽ化してしまったショック→今度の歌ヘタ王に自分がなるかもしれない嫌悪感→どうやって、そこから逃げる、救われるか、からの、天使発見やから、お告げやと思ったのか…え?
そのお告げって…天使を拉致れって言われたわけではない、ですよね??
天使に、歌を教えてもらえっていう、お告げ…お告げ???どこから????
お‐つげ【▽御告げ】 告げること、また、その言葉をいう尊敬語。特に、神仏がその意思・預言などを人間に告げ知らせること。また、その知らせ。託宣。

自分の人生の果てには、地獄があるに決まっていて、そこに行くことに、それは、自分の今までしてきた行いの結果だと、きちんと受け入れているように、こちら側からは思える男が、それでもなお、手を伸ばしてしまいそうになる、救いがある世界。
いつも薄暗い闇と、薄汚い欲望のなかで、生きてきた男の目には、それこそ、その目を焼くほどに、強烈な光、太陽のように眩しい出会いだったのかもしれない。
絶対に、神も仏も信じていないであろうはずの、一般的な世界観からは、大きくはみ出してしまった男が、自然に「お告げ」だと思ってしまうくらいには、運命的な出会い。

そら、コンクールが終わるのを待ってまでしても、手に入れな、あかんな…お告げ、やもんな…(白目)
聡実くんが、ももちゃん先生が忘れてしまったトロフィー持って、会場から出てくるまで、じぃーーーーーーっと、市民ホールのロビーで、聡実くんの姿が見えるのを、今か、今かと待っていた狂児を思うと…思うと…普通に震える…こわぁ…なに、その執着心…
ヤバいもん、芽生えすぎやろ。

なんというか、映画軸の狂児も、その893的な生き方から、執着心というモノとは、あまり関係がなさそうに思えるし、実際、聡実くんが「もう無理です…これ以上、付き合えません」って伝えた時、映画軸の狂児は、笑おうとして、失敗したみたいな、ちょっと変な顔をして、無理やり平静を装おうとして、ぎこちない、かたい表情をしながら「そうか、ほな仕方ないな…聡実くん、中学生やしな」と、自分自身を納得させるように、言葉を吐き出しているが、そのあとシナリオだと、狂児は、まるで気にしていない風に運転している、となっている。

個人的には、映画軸の狂児という男について、きちんと「ありがとう、おやすみ、ごめんな」などの言葉が、普通に発せられるところから見て、もともとの人間性は至極まともなんだろうなと思ってはいたので、シナリオで、聡実くんを手放すのに、そんな、あっさりしてたんかい?!って、ツッコんだけど、映像だと、なんか、ものすごいツラいのを無理やり、物分かりの良い大人ぶって、余裕をみせて、聡実くんに答えようとして、失敗した迷子みたいな、なんとも言えない顔をしていたので、コレが「まるで気にしていない」風を装った男の顔かーと、にやにやしておく、心のなかで。
聡実くん家の近くに行くまでに、ちょっと気持ちを持ち直した感じではあったけど、「ほなな」の声音のかたさよ…(にやにや)
自分の名前の由来を「最後に」聞いてきた聡実くんに対して「聡実くんは、聡い果実やからな。大丈夫や」と言う狂児は、聡実くんの未来が、自分の存在しない聡実くんの将来が、自分とは違って、眩しい光で満ち溢れていることを信じて疑わない、そんな想いを勝手に感じて、切なくなる。


影が濃くなるのは太陽が強烈なせいだよ
暗闇が深くなるのは眩しい光のせいだよ
手放しながら睨みつける
笑いながら悲しんでる
途方に暮れながら胸を張る
戸惑いながら覚悟している


意識化では、こんな自分には、もう手に入らないモノだと、諦めて。
それでも、その光を、救いのように、天上から垂らされた一筋の蜘蛛の糸であるかのように、無意識に手を伸ばして。
それが、その存在が、憧れ続け、本当に求めていたモノだったなら、そう簡単には、絶対に手放せないだろう。
しかも、一度でも、その眩しい光を、太陽のように強烈な光を、そば近くで感じてしまったのならば、手を放してしまったあと、藁にも縋るように、必死に、再び、手繰り寄せようとするのではなかろうか。

あんなに、あっさりと解放したくせに、LINEと電話を普通にしてくる狂児に、お前ェ…何がしたいんやと、襟元つかんで、揺さぶりたくなる…
映画軸の狂児の思考回路も、なかなかに謎ですが、聡実くんに対して、ストレートに行動しているということならば、そういうことなんでしょう。(諦観)

聡実くんを家に送って行った車のくだりも、アレが狂児の『素』だと理解した上で、何度見ても、あの一連の言動に、彼氏ムーブしか感じられないのは、オタクだからなのか。
特に最後の、呼び止めてからの「おやすみ」にこっ…→絶対、ヒモテクやんか。
からの、ダブルピース…なんなん…かわいい、か…そら、聡実くん、見てはイケナイもん、見たみたいな顔もするわ。
狂児的には、ふざけてみせてる?
聡実くんを怖がらせないようにしてる??
いや、普通に、893にダブルピースかまされたら、震えるて。

狂児としては、シンプルに、歌ヘタ王になりたくない→歌が一番うまいと、自分が思った聡実くんに、歌を教えてほしい、という純粋な思いなんだろうけど、その粘度は必要なのかっていう感じで、聡実くんのこと、毎度毎度じっと、見すぎではなかろうか。
車での送迎シーンにしても、バイブルをもらうところも、カラオケ屋で音叉の話を聞いてるところも、893だらけのカラオケ教室でも、すごい見てくるじゃん…
距離も、どんどんどんどん詰めていってるから、聡実くん、それに慣らされちゃって、最終的に「かぁわいぃなぁ!」のところで、ゼロ距離になって、べったぁーって、くっつかれても、モッモッって、チャーハンを食べ続けてるからな…
チャーハン食べるのに、ものすごい邪魔だろうに、その男。

ハイエナの兄貴のたんぽぽ化での「その兄貴が…あの日が、命日やった…」という狂児の話と、組長さんが「狂児は、地獄へ行った」というところ、多分893あるあるというか、893ジョーク的な感じを受けた。
聡実くんが、キティの兄貴の話で「どこで笑えばいいですか?」と不思議がったように、笑いの根本に、年代や、環境や、いくつかの共通項がないと、まず共感できない。
893の世界では普通でも、世間一般的には非常に馴染みのない、わかり合えない、笑いの溝があり、経験のないものには、その面白さは理解できなくて、戸惑うだけ。
それを思うと、狂児の車の中にあった忘れ去られた小指も、ネタとして、893的には、あるあるだけど、聡実くん的には、トラウマ級なアイテムだよな…

組長さんが、聡実くんに「狂児は、地獄に行った」って言うところ、893のみなさんが冗談を察して、微妙な表情→キティの兄貴の後ろに座っている893の人が、なんか「おっ!」ってなったあとに、少し下を向いていたので、組長さんの893ジョークに笑ってしまったのかなと、そちらが気になってしまった(ほっこり)
そして、狂児が生きていて、893のみなさんの前で、中学生男子に投げつけられて、肌身離さず持っていた御守りをポケットから取り出し、ぐっと近づき、キメ顔で「これが守ってくれたわ。聡実くん置いて死なれへんし」と宣うところ…何を見せられとんねん?!って、ツッコんでもいいと思うの、マジで。

そして、最後に、本当に毎回毎回、好きすぎて、ぽかーんとして見てしまう、聡実くんが宇宙人に捕獲されるのを狂児が助けて、なんでも買うたるわってなるところ。
(正確には違う台詞だが、オタクには結局、突き詰めたら、こう言ってんだろ、という二重音声が聞こえるため、訂正は無意味だった…)
あそこ、初見〜3回目の覚え書きでも感じたように、宇宙人から聡実くんを離らかし、振り上げるカバンに聡実くんが当たらないように、背後に庇いながら、宇宙人のほうを向く狂児の顔は、なんの感情も見せずに、とても凪いでいる。
暴力が、日常的に存在するからこその、普通な感じ。
普段、聡実くんに対して、常に微笑みを浮かべている男の、表情が抜け落ちた顔は、あぁ、この男、893やったな、と思い出す。
静かに、静かに、日常生活の延長上で、一切の迷いなく、暴力を振るってみせる男が、聡実くんに対して、あんなふうに、すごく優しげに語りかける口調と微笑みに、息が苦しくなる…落差が凄まじすぎて、コレが吊り橋効果なんちゃうかなって思った←別に、狂児に恋したわけではないけれども。
あの瞬間、狂児に落ちたのは、助けてもらって、ビデオデッキを買うてもろた、かわいい子犬ちゃんで、正解じゃないかな(幸)

約2週間の間に、7回鑑賞済みって…えらいこっちゃやで…
けど、また今週の土日も、あの2人のハッピーエンドを見に、ふらふら行ってしまうんだろうなぁ。

映画軸の狂児が、仮に聡実くんが♪紅を歌った、あのカラオケ大会で、欠席扱いからの歌ヘタ王となり、右腕の名前を彫られていたならば、狂児は、刑務所に入っていた3年間くらい、ずっと、聡実くんのことを思い出していただろう。
そして、聡実くんも、あの強烈な、初めての「愛」というモノを教えられた男を、忘れることはできなかっただろうから、やっぱり、2人は、両想いだな、知ってた。(頭が、お花畑か)