オトナプリキュア11話感想

物語が大詰めで、敵ボスであるベルの目的というか、想いが分かってきましたね。

ようはベルは、今の街の住人が嫌いなんよ。
それだけの話です。
でも、昔の街の住人は好きで、その成果物である、物語の舞台になってる街のことも好き。
ベルの鐘の音を「美しい」と褒めてくれた、昔の人は今でも好きで。
そんな昔の人の意思を無視して、街を破壊していく今の街の住人が許せない。

まあ、超越傍観者あるあるのような気がしますね。
かつて愛した者が、似ても似つかない者に成り果ててしまったから、かつては愛していた分、激しく憎悪する、という。

例を挙げるとなんだろ……
覚悟のススメの散様が一番近いとは思うんですが。
かつては人類の守護者になるつもりで、厳しい修行に耐えて来たのに。
帝国悪鬼というか、自分の祖父の成した悪行に、人間は最悪の生き物であるという認識を持ち、かつては守護しようとしていた分、憎悪を膨らませ、人類抹殺に動くという。

この手のタイプは、自分の理想とする人間のモデルケースを突き付けると、光堕ちするパターンが多いですけども。
(散様曰く「鴉が黒いという命題を覆すには、たった1羽でも白い鴉を見つけ出せばいい」これが、覚悟のススメでは物語のヒロインが該当)

ベルはどうなるんですかね?
今週の話で、のぞみにそれを見出してる風には見えたんですけど。

今週思ったのは、オトナプリキュアのシャドウって、ペルソナ3のシャドウに似てますよね。
あっちは「死の誘惑に負けてしまった精神」って設定でしたが。
生きていくための辛さに耐えかね、全て投げ出してしまいたいという破滅的願望。

方々で「なんでこんなことに」と、シャドウが暴走して街を壊しはじめたことに動揺するベルにツッコミが入ってましたけどさ。
あれさ、ベルでも人間の破滅的願望を制御できなかったということなんじゃないですかね?
自分なら完全に操れると思ってたのに、できなかった。
だからツッコむのは違う気がするのですが。

そして最後。
初代様が参戦してきましたけど。
何故14才の肉体を維持しているのか? ということの説明ぶっ飛ばして。
このまま勝っちゃう流れじゃないですか。
……初代様参戦は嫌では無いんですよ?
かつては私も黒キュア推しで、彼女の弟を誘拐してなぎさを曇らせたいと思っていた大友のひとりですし。
なぎさはね、弟に手を出すととてもいい泣き顔をするんですよ。
語ると長くなりますが……(黙れ

失礼。
話を戻すと。
タイムフラワーに込められた意味が回収できないと思うんですよね。
このまま勝ててしまうと。

ナッツ曰く「亡国の兆しの不吉な花」なんですよね?
それはつまり「その国に未来が無いことの象徴」だと思うのよ。
そして大人はプリキュアになれなくて、子供に若返ることでプリキュアへの変身能力を取り戻した。

それは「大人には未来が無く、昔である子供時代にはある」ことの象徴だと思うんですよね。
亡国なんだから。

だったら物語としては、大人変身しないと締まらないと思うんですわ。
いやね、大人変身が見たいからという理由で言ってるんでは無く。
(見たいですけどね。できれば)
未来に希望が繋がらないと、終われないじゃん。
それは、言葉で「繋がりました」じゃ軽いのよ。
象徴がさ、要ると思うんだ。
ドラゴンボールだって、1回使用した後、しばらく使用不能の間は石化してるじゃないですか。
別に「呼びかけに反応しない」でも十分なはずなのに。物語としては。

だからまあ、期待してます。

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