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あのひとがいなければ…

あのひとがいなければ
わたしはとっくにSEの仕事を辞めていただろう。

あのひとというのは
昔一緒に仕事をしていた
協力会社の次長Ⅰさん。

社会人1年目~3年目まで一緒に仕事をした。

1年目の頃は、協力会社の責任者くらいの認識しかなかった。
でもある時の出来事を境に、親しい間柄に。

2年目の時に、上司からあまりにも沢山のタスクを割り当てられて
わたしはキャパオーバーでオーバーフロー。
上司に無理だということを伝えたけど
他にやれる人もなくそのまま続行。
発狂寸前だった。

そんなわたしを見るに見かねて
飲みに行きましょうと誘ってくれたのがⅠさん。

別に仕事の話しをした訳ではないけど
お酒を飲んでいい気分になることで
なんとか仕事を乗り切ることができた。

Ⅰさんとは歳の差30歳。

意外にお互い気が合って
気持ちが落ち着くこともあり
1回かぎりではなく毎晩飲みに行くことに。

Ⅰさん行きつけのお店は
新宿思い出横丁のすごくレトロなお店😊

決まって注文するのは
にごり酒を1合と
煮込みと焼き鳥2本ずつだけ。

当時Ⅰさんの奥さんは
教育委員会のお偉いさんで相当稼いでいたので
Ⅰさんは自分の毎日の飲み代稼ぎのために仕事をしてた。

その毎晩の飲みにかける情熱は凄く
絶対定時までに終わらせようと猛烈に集中。
超人的なハイパフォーマンスで
仕事を片づけていた。

あくまでも酒代稼ぎだから
あと数年したら保育士になりたいと言ってた。
苦手だけど一生懸命ピアノの練習もしてたみたい。

プロジェクト解散後は
現場もバラバラになったので疎遠に。

約10年後に同じ会社の方と一緒に仕事をすることになり
Ⅰさんのことを尋ねると
亡くなられたとのことだった…

詳細は聞けなかった。

いまでもⅠさんのことを思い出すと
思い残すことなく保育士になれたのかなという
なんともいえない複雑なきもち。

もう直接お話しすることはできない。

でも

「間違いなく
わたしが約20年も会社勤めをできたのは
他の誰でもないⅠさんのおかげです」

この感謝のきもちだけは伝えたい。

最後までお読みいただきありがとうございました。


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