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不思議なこと

 以前から、知らない人に話しかけられることが多かった。このところ、またよく話しかけられるような気がする。

 先週スーパーでのこと。お肉コーナーで私は、お肉を選んでいた。すると、
「ねぇ、卵はどこにあったっけ?知ってる?」知らないおばさまが笑顔で私に聞いてくる。店員と間違えているのかとも思ったが、そうでもなさそうだ。私は、卵売り場の場所を伝えた。おばさまは、軽やかに卵目指して行ってしまった。

 昨日のこと、今度は近所のスーパーのお肉コーナーで、お肉を選んでいた。すると、
「肩ロースと普通のロースは何が違うの?すき焼きするんだけど、牛肉高いから豚肉にしようかと思ってね、ふふふ。」
親しげに話しかけてくる老婦人。私は、肩ロースと普通のロースの違いを説明した。老婦人は、お肉を選んで去って行った。これからおいしいすき焼きを作るのだろう。

 こんな感じで、おばさまたちは、以前からの友達のように話しかけてくるのだ。知りあいだっけ?と勘違いしそうになる。

 春になる前、これもまたスーパーで買い物をしている時だった。何か視線を感じる気がして、振り返ると、女の子がニコニコしながらこっちを見ていた。笑い返すと、自己紹介をしてくれた。(名前、年齢、保育園を教えてくれた。)その後も、買い物する私の後をついてきて、保育園での出来事などをお話ししてくれた。しまいには、
「こっちきて。」
と、連れていかれそうになった。
(あー、このままだと、私うっかり人さらいと思われてしまう。)
と、危機を感じた。
「またね。」
と女の子に手を振って、買い物をはじめたのだが、再び後ろをついてくる。私が振り返ると、女の子は止まるので、一見「だるまさんがころんだ」をしているようだ。仕方がないので、お母さんを探して、送り届けたが、お母さんはきっと私を不審な目で見ていたと思う。
「知らない人について行かないの!」
と女の子に怒っていた…。

 駅を出たところで、宗教の布教?の人たちに呼び止められたことも数回ある。駅の前には、時々祈る人がいるようだ。
「あなたのために祈らせてください。」
と、私の返事も聞かず、私のおでこの前に手をかざし、何やら念を送られる。人通りの多い場所だし、恥ずかしいので、早々と退散したいのだが、相手が真剣に祈っているのをみると、逃げ時を失ってしまう。

 ここに書いた限りではなく、思い出すとまだまだある。老若男女、人種も様々だ。外国の方は、初対面なのに、身の上話や家族の話をしてくれることが多かったように思う。子どもたちは、遊びに誘ってきたり、後ろをついてくる。話しかけられて、得したこともなければ、非常に困ったということもない。祈られるのは、少し困ったが。

 見ず知らずの人の、人生や生活の1コマを見せてもらったようで、楽しいと言えば楽しい、のかもしれない。
 また、そのうちだれかが話しかけてくれるのだろうか?今度はどんな話が聞けるのだろうか。書いていると、なんだか楽しみになってくるから不思議だ。

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