デフレギャップの縮小とは?

『需要不足4期連続縮小、解消近づく 日銀7~9月推計』

 日銀が公表した、22年7~9月期の「需給ギャップ」はマイナス0.06%と10期連続のマイナスという結果となった。記事によれば、マイナス幅は4期連続で縮小し、需要不足解消に近づいたとのことだ。
 下記が、2012年から約10年間に需給ギャップの推移を示したものである。確かに、19年の消費増税、20年のコロナ禍で落ち込みから回復傾向にある。

出所:内閣府

 しかしながら、25年以上にわたる日本はデフレである。需要落込みが供給能力を棄損した結果として、需給ギャップが埋まったと解釈する方が適切であろう。そうでなければ、経済成長と賃上げが実現されているはずだ。

 あたかも景気回復に向かっているような記事に見えるが、実のところその反対である。デフレは供給能力を破壊し、雇用の不安定化や賃金上昇を抑制する。デフレギャップの縮小は、その結果でしかないことを肝に銘ずるべきであろう。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?