アホだから友だち
大学時代からの腐れ縁のK氏
当時はお互いにえんえんとくだらない話をするだけの間柄で、彼がまさか超が付くくらいにこんなにも真面目で真剣に仕事に打ち込むタイプだなんて思いもしなかった。
ってアイツもきっと僕に対して同じことを思っていそうだけど(苦笑)
まあ、似ているのはそれだけじゃなくて、仕事ができないくせにすんげえ偉そうな上司とか、この世に割と犬も歩けば棒に当たるくらいには存在する、自分的に決して見過ごせないクソッ◯レな連中に対して、たとえ負け戦だと分かっていても、ちゃんと喧嘩をふっかけて、そして、ちゃんと敗北して、それまでの自分の努力を全て水泡に帰させてしまう
そんな間抜けぶり
もそっくりだったりする。
そんな彼が先日もメガバンク出身の全く仕事をしない無能な上司に反旗を翻したばかりに、子会社に出向になった挙句に、来年度の年俸も30万ダウンしたことを、とても淡々とした様子で語る姿を眺めながら、同じくらい淡々とした表情で受け止めるくらいには、彼の悔しさや哀しみを理解できる間抜けな僕ではある。
うん、お互い分かっちゃいるけど、止められないんだよなあ。
だって、底抜けにアホだから(笑)
でも、一方で、毎日こんなにも仕事を頑張っていて、実際に結果だって出しているわけだから、どんなに不遇で理不尽な仕打ちを受けても、そんな僕らの表情は案外、さっぱりしたもんだったりする。
だから、
「いつの時代も世の中の方が間違ってんだろうな」
なんて毎回、会うたびにカラカラと笑い合っている。
そんな僕らは、まるで1960年台の葉山の岸壁で、
「無限悪だな…。」
「ああ、無限悪だ。」
などと言い合っていた森山大道と中平卓馬の二人みたいだって言ったら、さすがにそれはカッコ良すぎだろって否定されるだろうけど(苦笑)
でも、いわゆる既得権益とやらにしがみついて、極力、低燃費で自分の爪の先を伸ばすことばかりに腐心している賢明な人間ばかりになってしまったこの国で、僕らがこんな風にいつまでも友達でいられるのは、やはり
僕らがアホ同士だから、
なのはきっと間違いない事実なのだろう。
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