濱崎達憲

本州の西の端で町医者してます。

濱崎達憲

本州の西の端で町医者してます。

マガジン

  • 睡眠時無呼吸症候群

    睡眠時無呼吸症候群について書いてみました。興味のある方は、読んでみて下さい。

最近の記事

SASうつ伏せ寝の実際(第13回補足)

 どうも文章では、うまく伝わらないので、出演しました。サスペンス劇場じゃありません。笑笑。  例えば左側を向いてうつ伏せ寝する時は、この様にします。左側の肘と膝で身体を少し浮かすのです。この時、右腕右脚は、下に伸ばします。こうする事で、胸とお腹を圧迫せずに息がしやすくなります。また首などの痛みも出にくくなります。  右側に向く時は、左右対称に、右肘、右膝で支えます。ちょうど水泳のクロールで息継ぎをするイメージです。  それにしても、我ながら立派な腹だなぁ。爆笑。

    • 高血圧(最終回)コントロール不良

       ここまでやってもコントロール出来ない患者さんがいます。時に早朝高血圧が残る方がおられます。更に不整脈を伴っている方も。  その時は、処方を変える前に、あるいは処方薬の内服方法を複雑にする前に、睡眠時無呼吸症候群の有無を確かめて下さい。高血圧の原因が2つあって薬物治療だけに拘るのは、片手落ちと言わざるを得ません。  無呼吸で、つまり首を絞められて酸欠になって血圧が上がっている人に薬を盛って、見せかけの血圧を下げても意味がないからです。  睡眠時無呼吸症候群の治療を追加する事で

      • 高血圧(第11回)実際の処方

         ノルバスク2.5mgないし5mgから始めます。ノルバスク5mg処方2週間で下がらなければ、ミカルディス20mgを追加します。更に2週間でコントロール出来なければ、40mgに上げます。それでもダメなら、ナトリックス1mgを追加、下がり過ぎたらなトリックスを0.5mgに減らすか中止します。  あまりに治療開始前の血圧が高い患者さんはノルバスクの代わりにアダラートCRから始める事もあります。  ノルバスク、ミカルディス共に血中半減期が36時間程度だったと思います。  生活習慣病の

        • 高血圧(第10回)何を使うか

           主にカルシウム拮抗剤、ARB、利尿剤の3種類を処方しています。大抵の場合、単剤、2種類併用、3種類併用でコントロール出来る様に思います。順番は1カルシウム拮抗剤、2ARB、3利尿剤です。それぞれ少ない量から始めます。  高血圧の患者さんは、身体が血圧の高い状態に慣れているので、急激な降圧は良くないと思われます。  例えば、高齢者などで急激に下げると脳の血流が低下して、ふらつきが出たりします。  年間を通して季節の移り変わりによる血圧変動は、利尿剤の加減で上手くコントロール出

        SASうつ伏せ寝の実際(第13回補足)

        マガジン

        • 睡眠時無呼吸症候群
          0本

        記事

          高血圧(第9回)治療薬(塩抜きと緊張緩和)

           残りの2種類は、心臓の興奮を抑えるβ遮断薬と塩抜きの利尿剤です。  塩を摂り過ぎると血管の中の塩水のボリュームが増えるので、血圧が上がると説明しました。そして美味しい物には、塩があると。  ついつい食べ過ぎたり、薄味に馴染めなかったり、濃厚な味の外食が多かったりする場合は、明らかに塩分の摂り過ぎです。尿中に出し切れないと血圧が上がります。  そんな患者さんには、少量の利尿剤を処方すると上手くいく事があります。

          高血圧(第9回)治療薬(塩抜きと緊張緩和)

          高血圧(第8回)治療薬(血管を拡げる)

           沢山の薬がありますが、6種類です。そのうちここで挙げた4種類は、効き方の違いはありますが、血管を拡げて血圧を下げる薬です。  器の中に液体が入っているとします。器を拡げると中の圧力が下がりますね。  なかでもカルシウム拮抗剤とARBを頻用しています。

          高血圧(第8回)治療薬(血管を拡げる)

          高血圧(第7回)血圧測定の補足

           よく患者さんに尋ねられます。血圧はいつ測ったらいいですかと。そんな時は、こう答えています。  生きている限り血圧はある。然もその時々で変動する。これが事実です。本来なら24時間自由行動下血圧を測りたいぐらいです。  でも忙しい現代人には到底無理なので、兎に角測定したら何も考えずに血圧手帳に記録して下さいとお願いしています。そして何か気になることがあれば、手帳の余白に書いてねと。  やってはいけないことがひとつだけあります。例えば、1回目が180/100だったとします。誰もが

          高血圧(第7回)血圧測定の補足

          高血圧(第6回)血圧測定

           時々耳にすることがあります。患者さんの測る血圧は、信用できないと。  しかし、家庭血圧と診察室血圧とでは、大きな差があることは、よくあります。診察室血圧が高い場合、白衣高血圧と呼ばれる事もあります。勿論、血圧のコントロールには、家庭血圧を知る事が大切です。  その為には、患者さんに正しい血圧測定法を指導する必要があります。まず椅子に腰掛けます。上腕動脈で肘のところで、拍動を触って貰います。次にマンシェット(血圧を測る時に腕に巻くもの)を装着します。拍動を触知させながら、自動

          高血圧(第6回)血圧測定

          高血圧(第5回)生活習慣病

           高血圧をはじめとした生活習慣病における治療の難しさは、すばり生活習慣を変えられないことです。  3つ子じゃあるまいし、大の大人がそう簡単に言う事を聞く訳がない。そこをどう説得するかが日々頭を悩ますところです。  せめてうちにかかっている患者さんには、不幸な転帰にならない様に努力しています。その為には高血圧について、理解して貰う事が大切です。また、理解しなくても、ちゃんと説明してもらったと思わせることが大切です。治療を続けられるからです。

          高血圧(第5回)生活習慣病

          高血圧(第4回)美味しい物には塩がある

           普段何気なく食べて.美味しいと感じる食べ物には、ほとんど全て塩が入っています。  もし貴方が、既に調理されて出て来た食事に、いきなり醤油やソース、マヨネーズなどをかけて食べる習慣があれば、最悪です。塩に塩を追加して食べている事になるのです。  濃い味が好きな人や、歳取って味覚が鈍くなっている人は要注意です。極力、薄い味に慣れましょう。あるいは塩以外の物で味付けしましょう。  よくグルメ番組などでは、食レポで「濃厚で美味しい」とか言ってますが、良くない風潮です。  塩を摂り過

          高血圧(第4回)美味しい物には塩がある

          高血圧(第3回)何故、減塩?

           日本食が、健康食である事は、日本人の平均寿命が世界一であることから明らかです。しかし、唯一の欠点は塩分が多いことです。  何故か?血管内の塩分が多いと、その塩分濃度を一定に保つ為に、沢山の水を吸収するのです。その結果、血管内は塩水でパンパンになります。血圧が上がるのです。塩分を腎臓からオシッコ捨てきれない時は、柔らかい血管の塊である肺に水分が溜まり過ぎて、溺れてしまいます。心臓はヘトヘトになります。  だから、血圧の高い人は、塩を抜けと言ってます。減塩ですね。

          高血圧(第3回)何故、減塩?

          高血圧(第2回)血圧の治療は何故やめられないの?

           高血圧は治りません。コントロールする事が大切なのです。  時々、高血圧の治療をして正常の範囲にコントロール出来たら、自分は治ったので、薬は必要がないと言って、治療をやめてしまう患者さんがおられます。  2週間ぐらいすると薬がウォッシュアウトされて、元の高血圧になります。  元気に長生きしたければ、勝手に治療を中断しないで下さいね。

          高血圧(第2回)血圧の治療は何故やめられないの?

          高血圧(第1回)血圧が高いと何故いけないの?

           そもそも血圧が高いとどうしていけないのか。その質問には、こう答えています。  今そこにペシャンコの風船があります。空気を入れると膨らみますね。それと共に風船の圧力が上がりますよね。ドンドン膨らまして行ったら、どうなりますか?風船は破裂してしまいますね。  貴方の血圧が高くなって、ドンドン上昇したら、どうなりますか?丈夫な血管なら問題ないけど、脳の血管は紙の様に薄いのです。あまりに圧力が高いと耐えきれずに破れます。そう、脳卒中になるのです。  運が良ければ助かるけど、運が悪け

          高血圧(第1回)血圧が高いと何故いけないの?

          (最終回)糖尿病奮戦記(患者さんが先生です)

           元外科医が田舎で開業すると糖尿病を診ざるを得なくなります。どこまで診ることが出来るのか。手に余る症例は躊躇なく糖尿病専門医にお願いしています。でも当院に来られる患者さんには、なんとかお役に立ちたいと思って診療しています。  食事療法は、糖尿病教育入院に紹介した患者さんでも、まず出来ていません。勢い当院の外来診療では、それを食べるな、いや食べたいと患者さんとバトルになります。苦笑。  下手くそな僕の治療に付き合ってくれてありがとう。いつも少しでも良くしてあげたいと思っています

          (最終回)糖尿病奮戦記(患者さんが先生です)

          (第30回)糖尿病奮戦記(何故、強化インシュリン療法なのか)

           一番は、正常のインシュリン分泌をふたつのインシュリンで再現出来ること。二番目に患者さんに説明しやすいこと。三番目に食事の時間がずれても、あるいは食べなくても食直前のインシュリンをスキップすれば良いだけ済むこと。その結果、低血糖発作が起きにくいことが挙げられます。  そうゆう訳で、当院では、中間型のインシュリン、朝晩2回打ちはやってません。例えば食事の時間がズレたり、昼食が食べられないなかった時に、低血糖発作が起きやすいからです。

          (第30回)糖尿病奮戦記(何故、強化インシュリン療法なのか)

          (第29回)糖尿病奮戦記(強化インシュリン療法の血糖測定)

           強化インシュリン療法になると1日2回の自己血糖測定が可能になります。  早朝空腹時血糖測定は、ランタスの量を決めるために外せません。残りのもう1回を何時にするかが問題です。  最初にお話した様に、糖尿病治療の基本は食事療法です。しかし、糖尿病の患者さんは、それはやめましょうと言っても、次から次に甘い物を見つけて来ます。人間は食べないと生きていけないので、理解できますが、何を食べるかがとても重要です。口を酸っぱくして説明してもなかなか分かってもらえない。  仕方がないので、食

          (第29回)糖尿病奮戦記(強化インシュリン療法の血糖測定)