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56 旅の夜には本を読む(番外編) とくべつな1冊

 旅先で巡りあった運命の本ではあるが、できるかぎり荷物を少なくしたいので、読み終えたら宿に残すか誰かに譲る。
 でも、唯一、手放せずに持ち帰ったのが、
Everyday Indonesian   PHRASEBOOK&DICTIONARY

 英語 → インドネシア語のフレーズブック。前編で書いたバンコク、カオサン通りの古本屋の、日本語本専門の3階ではなく、1階、欧米語版ガイドブックコーナーで見つけた。インドネシア語はわたしも勉強していたし、バリにもジャワにもよく行くし、これいいかも。
 手に取ってぱらぱらめくると、どのページにもきちきちとマーカーが引かれ、書き込みなんかもしてあって、前持ち主の真面目な勉強っぷりに心が躍る。

 そして、見返しにあった筆記体の走り書きにくらっと来た。
   Hope thing will be well・・・・
     at Airport in Jakarta.
       Nov.24,early
                 morning,1996.
         誰誰(シグニチャー。読めない)

 というわけで(どういうわけか)160バーツで購入。それがたぶん2000年の初め頃だから、サインの日付から5年ぐらい経っている。
 ジャカルタの空港からカオサンの古本屋へ、この本がどうやって辿り着いたのか、5年間何をしていたのか、他の誰かも利用したのか、いろいろ想像すると楽しい。

 今もときどき、「あー これってインドネシア語でなんやったっけ」というとき(ってどういうシチュエーションやと思われる方もありましょうが、語学オタクとはそういうものです)、このフレーズブックをめくってみたりする、大切な1冊。
 さんぱい じゅんぱ らぎ!


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