61 朝な夕なに旅の宿⑤ インド(前編)
ムンバイの Salvation Army は強烈だった。
1997年のことだけれど、デポジット100ルピーでドミトリーが1泊50ルピーか80ルピーか、それくらいだったと思う。男女別になっていて、女子部屋へ行ってみると、2段ベッドがいくつか並んでいて、昼間なのに閉めっぱなしのカーテン、どよよんと濁った空気。欧米人の女の子が二人、どよよんとベッドに腰掛けていて、目が合うと気だるそうに、
「ハ〜イ、ベッドはそこと、そこ、2つ空いてるわよ、でもバスルームの水は出ないわよ、でも床は