見出し画像

脱・絶滅企業

 マンモス復活を全力で目指しつつ、すべての生物の脱絶滅をうたう米企業でおなじみ、”Colossal Biosciences”が地味に成果を積み上げていってるらしい。

 Colossal Biosciences(コロッサル、直訳すると巨大な生命化科学)は、2021年に設立されたベンチャー企業で、ケナガマンモスとかタスマニアタイガーとかドードの復活を目論んでいるバイオ組織である。21年って結構最近だな。ハーバード大学のすごくえらい人”チャーチ教授”と起業家でAI企業の元CEOであるベン氏が手を組んで出来た企業で、シリーズBラウンド(事業が軌道にのりはじめたなぁ~という時期)に行われた資金調達で、1億5000万ドル(日本円だと22億2969万円。すげ~~~途方もない)を集めたとか。

 この成り立ちだけ聞くと、まるで映画の悪役組織である。ジュラシックパークとかで恐竜を復活させたりする企業とかもこんなのじゃないだろうか。ケナガマンモスを復活させて北極圏に放つのを目標のひとつとしているが、なんかすごい恐ろしいことなんじゃないだろうかと思えてくる。とはいえ、しっかりとした企業説明とかを読めば、至極立派な組織であることはうかがえる。第一、スゴクエライ教授が陣頭指揮をとっているわけなのだから、意味不明なミスが起こることはまずないだろう。

 しかしこの企業のプロジェクト、ぶっちゃけマンモスについてはほぼほぼ興味がないのだが(ごめんなさいね)ドードー鳥の復活には非常に関心を寄せている。

 ドードー鳥とは、マダガスカル沖のモーリシャス島に生息していたとされる絶滅鳥類だ。ぷくぷく太っていて、鳥なのに羽は退化してしまっていて飛べず、よたよた歩くし、警戒心が非常に薄くて人懐っこい……という特性を持っていたと言われている。絶滅した時代は1681年位らしいので、果たしてどこまで本当だったかはわからないが、これらが全て正しいとすれば非常に可愛いことがうかがえる。
 
もし現代までこのドードー鳥が生きていれば、まず家畜化され、愛玩ペットとされていたことだろう。
 まぁその是非は置いておいて、現代社会の動物園とかでよたよたと歩いているドードー鳥がいたら、そんなの絶対かわいいに決まっている。ドードー鳥カフェとかもできちゃったりして、みんながこの愛くるしくて絶妙なブサイク顔(残されたイラストのドードー鳥の顔はだいたいぶちゃいく)にメロメロになるに違いないのだ。

 ドードー鳥を主題にしたマスコットはもっと増えるだろうし、ゲームにももっとドードー鳥が登場するようになる。ヒヨコまんじゅうはドードー鳥まんじゅうに変わり、瞬く間に人類はドードー鳥の可愛さに支配されていくのだ。ビッグビジネスチャンス到来。

 SF作品を書く時、しれっとそういうのを混じらせるのも面白いかもしれない。未来の地球では絶滅動物の復活プロジェクトがそこそこ成功しており、中でもドードー鳥はその愛くるしさからマスコットとして定着している。「動物園いきたいな~」「何かみたいの?」「ドードーかわいいよねぇ~」「わかるぅ~」みたいな会話を、未来の東京都渋谷区を歩く女子高生がしているのだ。これはちょっと面白いかもしれない。「飲みですか? ウチね~新鮮なマンモス肉あるんスよ。肉厚でね、いいッスよ~どう?」みたいな。でもたぶんマンモスの肉は筋張ってて大味でまずい気がするな。

 Colossal Biosciencesが現実世界でどのような偉業を成し遂げるのか、本当にドードーとかマンモスが復活するのか、それは私にはわからない。ただ、自由な創作世界のネタには事欠かないニュースだなぁと思ったのだった。

 将来的にドードー鳥をだっこできる日がくるのかなぁ。

 実はかつての人類が記載したドードー鳥の情報はすべてデタラメで、超凶暴なドードー鳥に人類が滅ぼされちゃったりして。

 B級映画の題材やね。ガハハ。

 


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?