やりたいことで生活しない

「やりたいことを仕事に」「好きなことで生きていく」みたいな本を見かけることがすごく増えてきた。

やりたいことを始めるのは簡単だけど、やりたいことを続けるのが難しい。

そうはいっても、やりたいこと、好きなことを仕事にして生きている人もたくさんいるのも事実。

でも、その中の多くがやりたいこと、好きなことをやってると思いこんでるだけになってる。


西野さんのvoicyの配信ですごくためになる話があった。

作品と商品の違いについて。
作品とは自分がやりたいように表現したもの。
商品は売れるように表現したもの。
「作品の収益で次の作品を作る」という構造にしてしまうと、1つ目の作品が売れないと2つ目の作品を作ることができなくなってしまうから、なんとしてでも1つ目の作品を売れるようにしないといけなくなる。
結果、売れるかどうかということを考え出すから、作品作りがいつのまにか商品づくりになってしまう。

作品を作り続けたいなら、作品の収益で次の作品を作るのではなく、作品以外の収益や作品を別の形で活用した収益で次の作品をつくるという構造をつくらないといけない。

というような話だった。

これはアーティストや西野さんみたいな有名人だけに限った話ではなく、僕みたいに「好きなことをしていたいな~」と思っている一般人にも大事な話。

この話から言えることは、「好きなこと・やりたいことを続けていくためには、それ自体の収益で生活するのではなく、それを別の形で活用する、もしくは別の収入で生活する構造をつくる」ことが不可欠ということだ。


例えば、僕は人に勉強を教えて、成長してもらうことが好きなので家庭教師をやっている。

でも、家庭教師の仕事をしていると、勉強が大嫌いで僕との時間が苦痛でしかない子もいる。宿題を代わりにやってあげないといけない場面もある。

家庭教師としての収入で生活している以上、相手(親御さん)のニーズを満たしていかないとお金をもらうことはできないから、できる限り頼まれたとおりにはやっている。

最初は好きで始めた家庭教師という仕事が、だんだん好きなことからずれていく。

僕にもし、生活していけるほどの別の収入があれば、勉強が嫌いな生徒に無理に勉強させたり、宿題を代わりにやったりせずに、そういうニーズは丁重にお断りして、勉強ができるようになりたいけど苦手で困っている生徒を探して家庭教師をすることができる。

現状の「やりたいこと=生活費を稼ぐこと」という構造を、「やりたいこと≠生活費を稼ぐこと」という構造に変えない限り、やりたいこと・好きなことを始めることはできても続けることはできない。

方法は大きく分けて2つある。

①他の仕事で生活費を稼ぐ

やりたいこと以外で生活費を稼ぎ、残りの時間をやりたいことに充てるということだ。

でもこれでは正直、好きなことで生きているとは言えない。

結局やりたいことをするためにやりたくないことをしなければいけない時間が犠牲になっているから。

だから少し難易度は上がるけど、2つ目の方法のほうがいい。

②やりたいことをうまく活用して生活費を稼ぐ

西野さんが絵本作成を商品づくりではなく、作品作りとして続けられているのは、別にオンラインサロンという収入の柱が確立されているから。

このオンラインサロンは絵本作りをはじめ、西野さんがやりたいことをやっている経過報告やその経験から得られたお話を発信しているメルマガみたいな感じ。

この方法であれば、やりたいことはやりたい風に続けられ、それを別の形で収入につなげることができる。

僕の場合だと、家庭教師という好きなことをしている中で、勉強が苦手な生徒が得意になった事例や法則みたいなものをレポートにしたり、それを発信するオンラインサロンをつくったりすれば、好きなことをうまく活用して好きなことを好きなことのまま続けることができそうだ。

もちろん簡単ではないが、好きなことを続けていくには、こういった基盤づくりが不可欠だ。

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