敵に囲まれて防弾シェルターに逃げ込んだシーン。

【ドナルド】
生きては帰れない。

【レイモンド】
なんとかなる。

【ドナルド】
どうやって？

【レイモンド】
船で海を渡ったことはあるか？

【ドナルド】
いいや。

【レイモンド】

360°水平線で陸地が見えない。
大海原を漂う状態が何日も続く。
自分で運命の舵を握る。
あの経験をもう一度したい。

シエナのカンポ広場にもう一度立ちたい。
競馬祭りにいって、駆け抜ける競走馬を感じたい。

また、パリで食事がしたい。
ヴォージュ広場で、またワインを空けたい。
1本2本と。

冷たいシーツの間で女性の肌を感じたい。

またニューヨークでジャズを聴き、また山の頂で葉巻を吸い、顔に当たる日の光を感じていたい。

万里の長城を歩き、塔に登り、川を下り、フレスコ画を見たい。

庭に座って、本をもう一冊読みたい。

何よりも眠りたい。
まるで少年の頃のように。

あと一度、たった一度でいい。

だから、あいつらに私の命は取らせない。
生きて帰ってみせる。

☆☆☆

ブラックリストシーズン1
レイモンドとドナルドの会話より。

まあ、そんなかんじよ。