cross the t's and dot the i's わたしの備忘録~『ジョー・ブラックをよろしく』で学んだ英会話フレーズたち㉒

ジョーはビルに無理を言って取締役会に出席する。
怪訝な様子のドリューは苛立たしさを隠さない。
そのドリューに“紅茶”“お菓子”“水”など、言いつけるジョー。
このシーンは、下心が見え人間らしいと言えば人間らしいドリューと、人間の姿をしていても人間の気持ちなど意に介さない、人間の生死をつかさどる死神ジョーとの対比だろうか。

会議の議題はジョン・ボンテキューとの提携話だ。
ジョーの出現で腰を折られた形になったドリューは“to review. We're really crossing the t's and dotting the I's here.”「本題に戻ろう。念には念を入れなくてはならない」と言って会議を進めようとする。

cross the t's and dot the i's は面白い表現だ。“t”の横線と“i”の点を書くのを忘れないように注意してというところから来た表現らしい。「正確に」「注意深く」という意味だ。日本語だとどんな字になるだろう?「入」と「人」、「千」と「干」、「シ」と「ツ」…かな?

同じような表現で“dot every i and cross every t”というのがあるようだ。意味はほとんど同じ「隅々まで手抜かりがないようにする」

crossとdotを使った面白いイディオムがないか調べてみた。
*Cross the Rubicon 思い切った手段に出る, 重大決意をする
 由来:古代ギリシャの話。当時、法律では軍隊がルビコン川を渡ってローマに渡ることを禁じられていた。ルビコン川を渡ることは戦いの火蓋を切ることを意味していたが、カエサルは覚悟を持って大軍を率いてこの川を渡った。そのことから、“cross the Rubicon”は「後戻りのできない重大な決意をすること」を意味するようになった。
*be cross with ~ ~に怒る
*cross up 裏切る 〈米〉〔人を〕混乱させる、だます、裏切る
*keep one's fingers crossed 幸運を祈る
 “I’ll keep my fingers crossed”は「幸運をお祈りします」だが、“I was crossing my fingers behind my back”は、守るつもりのない(守れない)約束をする場合などに罰が当たらないようにと隠してフィンガークロスすることだそうだ。

*dot は動詞だと「点在する」「点を打つ」
*(文中の)「...」はthree dotsと呼ばれる。文末を省略する時に使われ、ピリオドや疑問符などで文を終える
*on the dot – ~時ちょうどに、時間通りに
*connect the dots(主に米・くだけて)(2者の関係について)情報をまとめて真相を解明する (between)
*dot dash =cash ★押韻俗語(rhyming slang)
 押韻俗語(rhyming slang)とは19世紀頃ロンドンで生まれたとされる俗語表現
 通例意図する意味とは何ら関係のない2語(文化的に連想関係にある語や対語・反意語・同意語などの関係にあることが多い)を含み, その2語のうち後の方の語が意図する語と脚韻を踏むことに特徴がある
<Dualウィズダム英和辞典より>

crossもdotも簡単な単語だが、調べると奥が深い!

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?