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サヴェッジボウル‐トリックテイキング‐制作記③ 運命的な出会い

新はっちゅトリック

大きな転換期~新たな出会い~

トリックテイキング制作を志して約2か月
まったく上手くいかないその時にYukoさんに紹介された人
それは、[梟老堂]の福タ郎さんでした。
@Fukuroudou_8

徹底的に考察する福タ郎さん。
システム面での幅広い考察は元より、プレイヤーの体験を大切にする方でした。

3人での通話がはじめての会話でした。
Yukoさんと福タ郎さんの会話は私にとって次元の違う内容だったのを覚えています。

そこで、ざっくばらんに話しながら、これまでの『はっちゅトリック』について意見をいただきました。

そこで、いろいろと話すうちに生まれたイメージが、その後のトリックテイキング制作に大きな転機を与えてくれました。

くにおくんの大運動会

爬虫類たちが大暴れ
スポーツテーマ

そんな中から、福タ郎さんがふと「くにおくんの大運動会」みたいなテーマおもしろそうと言われました。

その時の会話を具体的には、そこまで思い出せません。
ただ、あの時「くにおくんの大運動会」をイメージしたことは強烈に覚えています。

新はっちゅトリック

通話を終え、書き散らかしたノートを見返しながら、再度トリックテイキング制作に挑みました。

そこで生まれたルールをざっくりとご紹介

3トリック獲得で高得点
4トリック獲得で退場(脱落)

ところどころでレフェリーが警戒していて
もっとも強いプレイヤーはイエローカードを出される。
※各スート固定のランクに審判警戒ランクを用意。そのランクがプレイされた次のトリックが審判警戒トリック

イエローカードを2枚獲得しても脱落

ベースとなるこのルールを元にここから先テストプレイを繰り返すことになる。

ゲーム制作辞めるか…

微調整を繰り返すこと半年。
この頃にはコロナウイルスの影響で、テストプレイもできなければ、集まってボードゲームをするということもなくなっていた。

ただひたすらに、不安を感じる毎日
その不安をtwitterにつぶやく…

救いの手はまたしても福タ郎さんから。
気にしてくださっていた。

上手くいかないことを伝えると…
話してみませんか?との提案をいただく。

前回は3人での通話。
今回は2人。

現状のルールを細かく分析。
問題点や考え方、そのひとつひとつが目から鱗でした。

そこから先、何度も何度もDMで相談に乗ってくださりました。

ルールの成立よりプレイヤーの体験が大事

たくさんのアドバイスをいただく中で、とても心に残る考え方がありました。

それは、プレイヤーの体験が大事だということ。

それまでの私は、ルールが成り立つことばかりを考えていました。
福タ郎さんと話していると、ルールが成り立つことは前提として、最も考えるべきは、プレイヤーの体験だということが伝わってきました。

ルールの変更が、プレイヤーの心にどんな変化をもたらすか。
そういった視点でルールを考察するようになっていきました。

大きな壁あらわる

微調整を繰り返していたある日
正直、これ以上どうにもならないと思っていた頃

衝撃的におもしろいゲームと出会います。

『ヒーフー』
長谷川登鯉さんがアートワークを手掛け、福タ郎さんがディベロップに携わっている作品です。

『はっちゅトリック』と同じく、ラウンド終了時に決められたトリック数を勝利していれば得点というシステムでした。

このゲームを遊んだ時に、もうこれでいいでしょ??
と、制作を諦めかけました。これには敵わないと…

もうダメだ…

はっちゅトリックを捨てよう

その頃、はっちゅトリックが抱えていた大きな問題点
それは、イエローカードを2枚蓄積させて退場するプレイヤー、トリック数を超えて退場するプレイヤー
どこでどう退場していくか、まったくわからないため、制作者としてラウンド終了時の盛り上がりをコントロールしきれないということでした。

盛り上がりを見せるラウンドと、あっけなく終わるラウンド
それはそれでパーティー的なおもしろさはあったのですが、なにか方向性の違いを感じていたところでした。

そこにきて、毎回盛り上がりを見せる『ヒーフー』との出会いは強烈にショックでした。

もうひとつの問題点として、レフェリー警戒トリックの条件となるカードをプレイヤーの意思で、どこに差し込んだらいいかわからない。
次のトリックで自分がもっとも強くならない保証なんてないので、差し込むことによる「してやったり感」がないということでした。

戦略的に差し込めそうなルールなのに、どこに差し込んでいいかわからない。結局、マストフォローに従って適当に出しているだけなため、ストレスとなっていました。

この2点を解決しようとしてもできないモヤモヤを続けていたため、すっぱりと、いったん白紙に戻そう!!と決めました。

新新はっちゅトリック

取捨選択…SAVAGE BOWLの原型へ

まずは、ある程度完成に向かっていた新はっちゅトリックのおもしろかったところは残そうと抜き出しました。

トリック取得制限による脱落
この盛り上がりは間違いない。
ただ、これだけ残していては『ヒーフー』そのもの。

次に面白かったシステムが、1番手にイエローカード、2番手がトリック取得。勝てるはずのない低ランクがトリックに勝利することが、様々なドラマを生んでいたのは間違いない事実でした。

問題は、イエローカード蓄積による終了タイミングがコントロールできなかっただけ。
だったら、このシステムを終了タイミングに関わらないところで活かせないか…

そこで生まれたのが、SAVAGE BOWL 最終章へと繋がっていきます。
続く。