田代礼子

一般社団法人CQラボ フェロー・異文化ファシリテーター/ 文化の氷山の深い部分を知り違…

田代礼子

一般社団法人CQラボ フェロー・異文化ファシリテーター/ 文化の氷山の深い部分を知り違いに橋を架けることが人生のテーマ/広島出身の被爆2世としてヒバクシャのメッセージを伝えてます/cqlab.com

最近の記事

昭和の「普通」は令和の「不適切!?」 時代を経て変わるものと変わらないものをCQで考える

人気の民放のテレビドラマ「不適切にもほどがある!」(ふてほど)が3月末に最終回を迎えた。世帯平均視聴率7.9%を記録し、「ふてほどロス」も聞こえてくるほどだ。昭和と令和の文化の違いについて、CQで考えてみたい。 「ふてほど」から見える昭和と令和の文化 昭和に生まれバブル時代に青春を謳歌した私。ドラマを見ながら(良くも悪くも)様々な昭和の記憶が蘇ってきた。 ドラマでは、各所で次のようなテロップが毎回恒例で出る。 思えば、あの時代は今では「信じられないこと」だらけだった。

    • 被爆証言をホフステード6次元モデルで語り継ぐ その④

      「戦争は一瞬で起きるが、平和は努力して作り続けなくてはならない」 この考えをもとに、日々平和のためのストーリーを様々なかたちで伝え続ける人々がいます。 このブログでは前回に引き続き、2023年11月に異文化の専門家ネットワーク(Friends of Hofstede:以降、「フレンズ」)に向けて私が行った発表のまとめをお届けします。 ブログを通して、世界が直面する危機に異文化理論が貢献できる可能性をお伝えするとともに、より平和で公正な未来について考える「小さな種」になる

      • 被爆証言をホフステード6次元モデルで語り継ぐ その③

        「戦争は一瞬で起きるが、平和は努力して作り続けなくてはならない」 この考えをもとに、日々平和のためのストーリーを様々なかたちで伝え続ける人々がいます。 このブログでは前回に引き続き、2023年11月に異文化の専門家ネットワーク(Friends of Hofstede:以降、「フレンズ」)に向けて私が行った発表の後半部分をお届けします。 ブログを通して、世界が直面する危機に異文化理論が貢献できる可能性をお伝えするとともに、より平和で公正な未来について考える「小さな種」にな

        • 被爆証言をホフステード6次元モデルで語り継ぐ その②

          このブログでは前回に引き続き、私が2023年11月に異文化の専門家に向けて「平和のアドボカシーと教育のための6次元モデルの模索」というテーマで発表した経験と、母が被爆証言が大きな役割を果たしたケースについてお話ししたいと思います。 ブログを通して、世界が直面する危機に異文化理論が貢献できる可能性をお伝えするとともに、より平和で公正な未来について考える「小さな種」になることを願っています。            トップ写真:「ヒロシマの樹」七宝壁画 (田中稔子作 1998年

        昭和の「普通」は令和の「不適切!?」 時代を経て変わるものと変わらないものをCQで考える

          被爆証言をホフステード6次元モデルで語り継ぐ その①

          なぜ世界から戦争はなくならないのか上の写真を見てください。 これは私の母が通っていた無得幼稚園の卒園写真です。1945年3月に撮影されました。現在の広島平和記念資料館が建つ、まさにその場所に幼稚園はありました。 この写真が撮影された5か月後、広島に一発の原子爆弾が投下され、市は壊滅状態に陥り多くの命が失われました。爆心地に住んでいた母の一家は、建物疎開で原爆投下のわずか1週間前に引っ越したため、命をとりとめることが出来ました。しかしこの写真に映っている母以外の子どもたちの

          被爆証言をホフステード6次元モデルで語り継ぐ その①

          医療と文化 その②~スイス人看護学生が見た日本の医療介護 

          医療機関に足を運ぶのは、年1回の健康診断と歯科治療に行くくらいで、入院経験は出産時のみ。医療と名の付くものに縁がない私でしたが、最近、患者の家族という立場で医療について様々なことを考える機会がありました。 今回のブログは、「医療と文化 その①~医療における『インフォームド・コンセント』をホフステード6次元モデルでひも解く」の続編として、日本とスイスを比較した医療介護の文化差をホフステードの6次元モデルを使って分析します。 目次「日本には老人のプライバシーがない・・・!?」

          医療と文化 その②~スイス人看護学生が見た日本の医療介護 

          医療と文化 その①~「インフォームド・コンセント」をホフステード6次元モデルでひも解く 

          家族が大病を患い、しばらくブログから遠ざかっていました。 医療機関に足を運ぶのは年1回の健康診断と歯科治療に行くくらいで、入院経験は出産時のみ。医療と名の付くものにほぼ縁がない私。 今回患者の家族という立場で、医療という重要社会インフラについて様々なことを感じ、考える機会になりました。 そこで今回のブログでは、医療現場で実感した「インフォームド・コンセント(IC)」の潮流をホフステードの6次元モデルを使って分析します。 目次家族が緊急搬送!そして出会ったインフォームド

          医療と文化 その①~「インフォームド・コンセント」をホフステード6次元モデルでひも解く 

          【CQ特別インタビュー企画】筑波大学4回生 青山翔龍さん「違いに橋を架ける人になりたい。だからCQを知る運命だと感じた」

          青山翔龍(あおやましょうりゅう)さん 筑波大学 グローバル教育院 地球規模課題学部 4回生 CQ養成講座 実践コース修了(2023年2月)「日本語が母国語の自分が日本の文化にこんなに戸惑っている。来日する留学生にはどれだけ苦労が多いだろう」ー青山さんは今、筑波大学でどんなことを学ばれていますか? 所属している学部では、地球規模の課題について研究しています。1-2年では主にSDGsについて研究し、3ー4年で自分で専攻を決めて学ぶプログラムです。今年9月の卒業に向けて目下卒論

          【CQ特別インタビュー企画】筑波大学4回生 青山翔龍さん「違いに橋を架ける人になりたい。だからCQを知る運命だと感じた」

          同調圧力をホフステード理論とCQでひも解く その①:なぜ半数以上の日本人が『世間』を気にしてマスクを外さないのか?

          私が通っているジムの壁に、3月頃こんな大きな張り紙が掲示されました。 しかし、この文言にも関わらず、3か月経った今でもコーチを含め90%の人がマスク着用して汗を流している様子。もともとマスクが苦手で緩和と同時に外した私にとっては実に驚くべき割合です。街中でも、連日夏日の中マスク着用で歩く人が過半数で、ついつい熱中症が心配になってしまいます。 ちなみに海外と比較するとどうでしょうか? 私の最近の経験になりますが、昨年11月と今年4月に所用で海外(ニュージーランドとアメリカ北

          同調圧力をホフステード理論とCQでひも解く その①:なぜ半数以上の日本人が『世間』を気にしてマスクを外さないのか?

          「なぜ日本は不登校が多い?:文化の影響と新しい視点」

          「子どもがある朝、ベッドから起きてこなくなった!」 娘が突然ベッドから起き上がれなくなったのは、中学校1年の2学期が始まったばかりのある朝でした。 最初は「疲れがたまったんだろう。数日ゆっくりすればきっと大丈夫」と思って休ませたものの、数日が1週間になり、ついに1か月に。 担任やクラスメイトが毎日のように放課後、激励に来てくれます。授業のノートを持ってきてくれたり、励ましのメッセージを書いてくれたり・・・しかし、それがかえってプレッシャーとなり、「申し訳なさ」に押しつぶ

          「なぜ日本は不登校が多い?:文化の影響と新しい視点」

          同化からインクルージョンへ:女性活躍後進国 日本の可能性をCQで解き放つ!

          世界ランキング116位:日本のジェンダーギャップ指数を知ってますか? ジェンダー不平等は、日本において根深い問題です。 世界経済フォーラムによる2022 年のジェンダーギャップ指数では、日本は総合順位で世界146か国中116位にランクイン。特に政治分野と経済分野における順位が低く、経済分野の順位は146か国中121位という不名誉な結果が続いています。 政府は「女性版骨太の方針2023」の案を出し、最上位の上場企業の役員における女性の比率を2030年までに30%以上にするこ

          同化からインクルージョンへ:女性活躍後進国 日本の可能性をCQで解き放つ!