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コントラクトブリッジのルーツになったゲームがわかる本 『From Short Whist to Contract Bridge』

今回は最近入手した洋書のご紹介です。この『From Short Whist to Contract Bridge』は、サブタイトルに「The history of contract bridge and its predecessors」とあるように、コントラクトブリッジとその祖先のゲームを時系列で紹介する本となっています。

著者はベルギーのHans Secelleさんです。元はチェスや将棋(!)をされていたそうですが、ブリッジに転向し、ブリッジの歴史書を書くまでになったとか。また、翻訳はHerman de Waelさんという方で、国際トーナメントのディレクター(ブリッジの競技会における運営責任者)もされているそうです。

裏表紙に著者、翻訳者のプロフィールが掲載されています。

また、出版にあたっては、世界ブリッジ連合から序文が寄せられています。

では、内容の紹介です。この書籍では、コントラクトブリッジのルーツとなったカードゲーム「ホイスト」から様々なゲームが派生し、現在の「コントラクトブリッジ」が登場するまでの歴史を解説しています。

ホイストは17世紀の文献でその名前を確認されている古いゲームですが、18世紀に流行すると、19世紀にはホイストを元にした様々なバリエーションのゲームが考案されます。そして、その派生ゲームがさらに改良を重ねてコントラクトブリッジの誕生へと繋がりました。
コントラクトブリッジのルーツに関係するゲームは大変な数があり、その歴史を辿るのは容易なことではありません。しかし、それらをこの1冊にまとめてくれているので、当方のような一般人にとってはとても便利なものとなっています。

コントラクトブリッジは1925年に登場したゲームなので、20世紀中頃以降の文献や小説に登場する「カードゲームのブリッジ」といえば「コントラクトブリッジ」と考えて問題ないのですが、それ以前の時代では「ブリッジ」といっても実際にはどのゲームを指しているのか、確認が必要です。そんなときにこの本があれば、ブリッジのうちのどのゲームであるかを特定することが(ある程度)可能だろうと思います。
また、こうした内容はカードゲーム全般を扱ったゲーム史の本にも掲載されていることがありますが、この本はブリッジに関係する部分のみがまとめられているので、調べるときに簡便で助かります。

ホイストがブリッジに発展する系譜をまとめた図がわかりやすかったです。

まだ入手したばかりで、ざっとしか目を通していませんが、折を見て読んでみようと思います。ではー。

サポートはコントラクトブリッジに関する記事執筆のための調査費用、コーヒー代として活用させていただきますー。