北岡英樹

何をするか分かりませんが、何卒よろしくお願いいたします。

北岡英樹

何をするか分かりませんが、何卒よろしくお願いいたします。

最近の記事

買いもん行く

刺青で 忘れんように 入れてもろた 玉子の刺青 キャベツの刺青 買いもん行くの もう怖ない 白いシャツから  透けた刺青 なんで刺青したんやろ 今からどこへ行くんやろ

    • 酒人の空

      酒人が 見上げる空に 釣り上がったは 鯉のぼり 神さんの酒のあて 鯉のぼりの活け作り

      • ポイントカード

        何もかも焼き尽くす 無情の太陽を浴びて ああ、たまらねえ 私の胸元から 私と太陽の体臭がする 人間ばかりのこの世じゃない 俺だって獣だもの 人の心の善悪は ポイントカードの ポイントに過ぎないのさ

        • お前のもの

          自分で 自分を コントロール出来てる事なんて 本当にあるのかな 髪の毛が勝手にのびながら 私はそう想う 自分の心臓の音が 止まらない こわい 全世界はお前のものだ だから お前は一体どうするんだい 部屋の外から聞こえる風の音に ちょっとしたヒントが 答えもなく 内蔵されていた

        買いもん行く

          町の絵描き

          くちづけの 舌噛みちぎって 口移し 町の絵描きがスケッチしてる 赤い絵の具が足りないと

          町の絵描き

          心の中

          いちばん遠いところは、 人の心の中なのですと、 星が光っていた。 ロケットが、 マッチ一本に見えて来た。

          太陽の匂い

          刈っておいた草を、庭に山積みにしておいた。 ここの所のお天気が染み込んだ刈り草である。 陽が傾いた気持ちいい時間に、 その山ををひっくり返すと、湿った草から、 なんとも言えない良い匂いがする。 微生物だか、なんとか菌だか知らないが、 生きている匂いと言うものは、香ばしい。 臭いとは思わなかった。 気味の悪い白いものが所々に繁殖している。 死を忌み嫌う人間社会に酔った自分の目には、 生きることの不気味さがより鮮明に映っていた。 湿った草や土の匂いは、 時代なんぞを飛び越えていて

          太陽の匂い

          日常

          今っていつだろうと たった今が 何の悲壮感もなく 思い出に変わり果てて行く  ボンネットをたたく思い出が絶えない 車の中からは 思い出の雨が ワイパーで除かれる 思い出はどこへ行くのか 日常と言う下水道から声がした 車から降りて  ここからかなと マンホールを開ける おーいと呼ぶと何の応答もない 下水の匂いがいつまでもしていた

          水飲み場

          噛みちぎる 手首から出る 赤い血で 水飲み場の夏 血を浴びて

          水飲み場

          漫画のように

          本当に この世にいることを実感したら 漫画のように 目ん玉飛び出すと思います。

          漫画のように

          何の証明

          ハンコ押すとき 頭蓋骨割れるほど 自分の名前を叫びます だって自分を証明できるのは ここにひとりしかいない

          分からないっていいな

          雨が降ってる しばらく傘さして 雨の中にいた 雨の音を聞いていると 自分がどんどん遠くなる 雨って言葉が まだなくて これは一体なんだろうなと思いたい これは一体なんだろう この先に何かあるかも知れぬ とにかく歩いていこう 近所の路地がはるか遠くなる 分からないっていいな 好きだ

          分からないっていいな

          道端で

          垂れ下がる 目ん玉 口に 頬張って 歩く 誰かに 口移し

          変な夢

          手首の脈で 乗ってきた 自分のビートでシャバズビバ 表に飛び出し 気が済まず 頭の中から飛び出して 今朝見た変な夢の中 頭禿げて ラーメン食べた 頭禿げて ラーメン食べた 胡椒がないから 女のはだか 手首の脈で 乗って来た 自分のビートでシャバズビバ

          海の味

          ビンチョウマグロの刺身を食べる。 うまい。 海の味だ。 考えてみると、 赤い血が湧いて生きている私は、 海を他人とは思えない。 扇子で仰ぐ風も、 ちょっとした潮風の風情で、 人との繋がりが、 二度と同じ顔を見せない、 波模様に思う。

          がってんだ

          自分が いつか必ず死ぬことを実感すると もうやるしかない がってんだ 悲しみも病いに思う がってんだ 死こそ 健やかなり 我が阿呆に弾丸を込めて