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『青空と逃げる』辻村深月

深夜の交通事故から幕を開けた、家族の危機。押し寄せる悪意と興味本位の追及に日常を奪われた母と息子は、東京から逃げることを決めた――。

辻村深月が贈る、一家の再生の物語。

みなさん、こんにちは!今回は最近読んだ小説『青空と逃げる』について語ります。

この作品は、映画化もされている『かがみの孤城』で有名な人気作家の辻村深月さんが描く「家族」の物語です。

この作品を読む前に『傲慢と善良』を読み、そこに登場する人物についての作品であることを知り、何気なく手に取って読み始めました。

辻村深月さん、天才すぎる…

『かがみの孤城』も『傲慢と善良』も『青空と逃げる』もどれを読んでも辻村作品を読んだ後には必ずこう思います。風景描写や心理描写が緻密で、頭の中で世界観がふわっと広がります。『青空と逃げる』は、四万十や別府、仙台など様々な地域が舞台となり、丁寧な描写と合わさることで、私自身もその土地にいる気分になれました。

辻村深月さんの作品は、どの作品も心に響くものがあります。今回は「家族」について考えさせられました。「家族」って一番身近な存在なのに、実際にはあまり理解していない気もします。でも、「家族」がいるから生きていける。「家族」って何だろうと考えさせられました。

また、伏線回収も見事でした。辻村作品の魅力の一つは緻密な構成だと思いますが、辻村先生はいつも結末を考えずに書き始めるそうです。どうして終着点がないのに見事にまとめることが出来るのでしょう。凡人の私にはわかりません。「家族」小説にミステリー要素が加わることで、さらなる面白さが読者に与えられます。「家族」という重いテーマを扱っているにも関わらず、面白さや爽快感なども得られます。

何気なく読んだ本から、多くのことを考えさせられました。
今後も辻村作品の沼から抜け出せそうにないです...

最後までお付き合いいただきありがとうございました!



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