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反復性うつ病性障害〜繰り返し襲う黒い霧〜

メンタルクリニックに通い始めて、1年半が過ぎた。反復性うつ病性障害…何度もうつ症状を繰り返してきた。

薬でかなり楽になってきたが、月に何日かはうつっぽくなり、どうしようもない憂鬱さや、破滅的な考えが頭の中を支配して苦しめられている。

不安を抑える頓服や休息を取ることで、何とかしのげているが、また以前のような深刻なうつの荒波に襲われたら…いつどうなるか、わからない。

次はもう耐えられないかもしれない。よくも、あんな溺れそうな苦しみを生きられたと思う。思い出すとゾッとする。

何かを経験することで、同類のことには耐性がつくと思われるているが、逆に、経験することで抵抗力が弱くなることもある。

痛みを放置し続けると、脳が痛み物質に過敏になり、少量の痛み物質の放出でも、強い痛みを感じるようになるのと同じだ。

たぶん、このうつの黒い霧は、一生私につきまとうんだろう。霧の来襲が怖い。

『ガンでもないのに大げさだ』『悲観的なことばかり考えてる』…言いたい人には言わせとく。 

もう良くなったと思ってる…周りの人達。わからなくても当然だ。それでも、『ネガティブだ』とか『大げさだ』とか、私の思いや、感じてることを否定する言葉を投げつけられると、ひどく堪える。

そうして、心の本当のところは誰にも見せず、やっぱり…独りで辛い時を過ごす。

うつの辛さに加えて、無理解からくる非難や否定が、孤独という更なる闇を連れてくる。

私にできることは、フォトフレームの中のアンカーの彼に、そっと呟きを繰り返すことだけ。

彼は、ただ黙って聴いてくれるーー

否定も非難も説教もしない。理解できないと困惑することも、言葉を失うことも、はぐらかそうともしない。わけもわからず、お互いの間に距離ができてしまうこともない。

うつの黒い霧に対抗できる、最後の砦。絶壁に打ち込まれた、私の命を支えるアンカー。もうこの世にいない、唯一無二のアーティスト。


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