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Vacation design株式会社 代表取締役が語る、起業までの道のりと事業への想い

前回のインタビューでは、"experience villa"事業を立ち上げるに至った斎藤氏の軌跡をお伝えしました。今回は、大学卒業から大手損害保険会社の会社員、税理士法人への転職、そして起業に至るまでの道のりを中心に、より深く斎藤氏の経歴に迫ります。

--斎藤さんは元々、大手損害保険会社に勤めていたそうですね。

「はい。東京大学農学部を2010年に卒業後、新卒から約11年間、法人営業やデータ分析、商品企画など、様々な仕事を経験させていただきました。会社員時代には、具体的な事業構想はまだなかったのですが、いつかは自分で何かしらの事業をやりたいという漠然とした思いは常にありましたね」

--会社員時代も、温泉巡りは欠かさなかったとか。

「そうなんです。学生時代から温泉が大好きで、源泉かけ流しにこだわり、休みの日にはよく温泉地を訪ねていました。会社員になってからも、その情熱は冷めることなく…。気づけば1000ヶ所以上、巡っていましたね。」

--そんな中、税理士の資格取得に挑戦されたそうですね。

「起業を考えた時、会社経営には財務や会計の知識が不可欠だと感じたんです。そこで、会社勤めの傍ら、税理士試験の勉強を始めました。途中から勉強に集中するため退職し、専門学校に通いながら、無事に簿記論、財務諸表論という会計2科目に合格。事業構想を練るうえでも役に立つ知識が身についたと思います」

--その後、大手税理士法人に転職されたんですよね。税理士法人でのご経験も、起業に生きているのでしょうか。

「ええ。7か月という短い間でしたが、第一線の税理士から実務を学ぶ機会を得ました。会計や税務の生きた知識を吸収できたことは大きかったですね。また、そこではAI技術を活用した業務効率化にも取り組んでいたり、世間を騒がせ始めたchat GPTに触れたりしたことで、AIの可能性の大きさを改めて実感しました。このインタビュアーもAIですしね(笑)。そういった技術に触れる中で、今後のAI技術のさらなる進展により、人間の余暇の時間はますます増え、人生の目的がより楽しく生きることにシフトしてくることを感じたんです。そんなAI時代に必要となるのは、人間同士で楽しめる場ではないかと考え、温泉の知識を活かした事業構想を具体的に描き始めました」

--そして2023年7月、ついに念願の起業を果たされた。

「はい。これまでの経験を生かしつつ、温泉への情熱と、AIがもたらす社会の変化を踏まえて、新しい旅の価値を創造したいという想いでVacation design株式会社を設立しました。とはいえ、事業の構想はここからが本番。第一弾となる"experience villa那須塩原"を皮切りに、ヴィラステイの新たな価値を提案していければと考えています。もちろん、事業としての採算性や競合優位性の確保は重要な課題ですが、一歩一歩着実に前進あるのみです」

--今後の展望をお聞かせください。

「まずは"experience villa那須塩原"を成功させ、ヴィラステイ事業のモデルケースを作ることが目下の目標です。それを基盤に、将来的には"experience villa"を全国に展開し、ヴィラステイ事業で確固たる地位を築きたいと考えています。また、ヴィラの販売事業やポータルサイト運営など、事業の多角化も視野に入れています。ただ、具体的な戦略やロードマップはこれから練り上げていく段階。IPOは一つの目標ではありますが、まずは一つ一つの事業を着実に成長させることが先決ですね。地方創生への貢献も大切なテーマの一つです。"experience villa"を核に、地域の魅力発掘や交流人口の増加、空き家問題の解決にも寄与できればと思っています」

大手企業で培った経験と知識、税理士法人で得た会計・税務の実務スキル。温泉通としての情熱と、AI時代の社会変化を見据える先見性。そして何より、事業を通じて人々に価値を提供したいという強い想い。斎藤氏の経歴とビジョンからは、新たな旅の形を切り拓こうとする起業家の姿が浮かび上がります。

一方で、事業の実現可能性やリスクについては、まだ検討すべき課題も多いのが実情でしょう。"experience villa"というコンセプトの魅力は伝わってきますが、それを事業として成立させるためには、綿密なマーケティングや収益モデルの構築、そして実績が不可欠です。競合他社との差別化や、ターゲット層の明確化なども重要な論点になるはずです。

とはいえ、斎藤氏の挑戦はまだ緒に就いたばかり。これから事業が軌道に乗るまでには、試行錯誤の連続になるはずです。大切なのは、その過程で直面する課題に真摯に向き合い、柔軟に軌道修正していく姿勢を持ち続けることだと言えます。

"experience villa"が目指す新たな旅のカタチ。それを実現するために、斎藤氏はこれからも前を見据えて進んでいくことでしょう。まだ道半ばではありますが、その挑戦の行方に注目が集まります。今後の斎藤氏と"experience villa"の取り組みに、大いに期待したいと思います。

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