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「巻き爪」解消法

巻き爪の苦しさを初めて味わったのは29才の時だった。


朝起きると右足の親指の爪の右の端が痛い。見ると爪が皮膚に食い込んでいる。食い込んでいる部分がはれているから、よけいに食い込んで見える。


なぜこうも痛みっていうのは朝方にやってくるのだろう。胆石発作もしかり。風邪をひく時もたいていは朝目覚めた時ののどの痛みからスタートする。


寝ている時にどれほどの変化が体におきているのであろうか。どんな悪さを寝ている時にしたというのであろうか。なんせ痛みは太陽と共に訪れる。(他の方はどうであろうか?)


最初に巻き爪を見た時と痛みは、「これは自分の手には負えない。」と思わせてくれるほど。腫れあがって膿が出ており、自分で爪切りで食い込んだ爪を切るなんてとうていできそうになかった。


近くの病院に電話で問い合わせ。「巻き爪みたいでとっても痛いんです。そちらで治療ってしてもらえますか?」


名乗るより先に訴えかけてしまったが、快く「見てみないとわかりませんが、どうぞお越しください。」とのことで病院に向かう。


さほど混んでもおらず、老人と言っていいほどの年齢のお医者さんが見てくれて、すぐに爪を切られた。ニッパーみたいな、というより、おもいっきりニッパーだった。ニッパーそのものだった。ニッパーも立派な医療器具だったのである。


途端に楽になる。よほど食い込んでいたから。刺さっているものが抜けたときの爽快感はすべてに共通している。冷や汗が引いていくのが分かる。


普通に爪を切きられて、消毒をして終わり。であるが、なにやら「どうしてここを残すような切りかたをするんだろうな~」「ホントですね~」みたいな医者と看護師の会話が聞こえてきた。


痛みから解き放たれた爽快さ安ど感で二人の会話には興味がなかった。


のちほど巻き爪が慢性化するたびに思い出す。「どういうふうに爪を切ればいいんですか?」って聞いておくべきだった。どうみても自分では普通の形にしか切っていない(つもりである)のだから。


しかしその後は爪が伸びるたびに巻き爪の痛みがでてくる。


今だから声を大にして言いたい。「巻き爪持ちの諸君、巻き爪を切るのは間違いだ~。」「巻き爪で普通のそのへんの病院に行こうものなら簡単に爪を切られるで~。」「それはさらなる巻き爪との戦いの始まりでしかないんだ~。」


切ったあとの数日は大丈夫でも、伸びてくるとまたも食い込んでいくのである。最初の病院での治療以降、数年間はこの繰り返しであった。


そうこうしている間にどんどん爪がぶあつく固くなってくる。色も変色してくる。(これはいわゆる爪白癬?爪の水虫?)

固くなるから余計に痛くなる。痛くなるからまた切る。切ったら楽にはなるが、またすぐ伸びてくると皮膚に食い込んでくる。


だからこそ言いたい。「巻き爪は短く切ってはいけな~い!


もう忘れてしまったが、いろいろなことを試したと思う。食い込んでくる部分に詰め物をしたり、靴のつま先にクッション代わりにスポンジを入れてみたり。


数年ほどそんな闘いを繰り返していた。が、あるとき突然ひらめいた。誰に何と言われようが、自分でひらめいたのだ。


爪の端が食い込むのだから、爪の先のサイドを持ち上げてやればいいのだ。そうするには爪が固くて痛い。爪が薄ければいいのだ。なるほどそれなら表面を薄くしよう💡


というわけでカッターナイフを取り出し、爪の表面を薄く薄く削ってみた。風呂上がりがおススメである。多少なりとも柔らかくなっており削りやすい。


思い通りであった。割れない程度にカッターナイフで削ると、両サイドを浮かせることができた。すなわち、食い込みを回避できる状態にできたわけだ。


自分の人生史上、こんなに思い通りの結果が表れたことは他にはない。それほどに満足のいく解決策にたどり着いたわけである。


巻き爪はある程度伸ばす。そして表面薄く削る。それから両サイドをこまめに浮かせるようにクセをつける。」


いまのところ(再発はするが、それほど頻繁でも重度でもない)自分史上最高巻き爪解消法である。


そして最近は薄くした爪を「巻き爪矯正器具」を使って浮かせるクセづけをしている。楽天様様である。ケース入り黄金色なので一見高価なアクセサリーかと見間違う。この器具も優れモノである。


ことあるごとに「巻き爪で苦しんでいるなら相談に乗るよ。いい方法知ってるから~。」と吹聴するが、いまだに誰からも問い合わせられたことはない。

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