見出し画像

思い付きワールドセッティング「ミラージュ・クロッシング」作成中なので、短編の第一章を乗せてみた。「夢」と「現実」が交錯する世界の「譚」、第一ゲームシナリオのノベライズです。元がわからないよ!ごもっとも!

第一章: 霧深きエルムウッドの訪問者

段落一

かつてない霧がエルムウッドの村を覆っていた。朝露に濡れた草木が、霧の中でぼんやりとその輪郭を浮かび上がらせている。四人の旅人が、静かにその村の入り口に足を踏み入れた。彼らは異なる地から集いし者たちであり、それぞれが持つ目的は一致していなかったが、共通の依頼――「星影のオーブ」を求める冒険によって結ばれていた。

段落二

村の人々は、初見の者たちを警戒の眼差しで見守っていた。エルムウッドは代々、夢と現実が交差する地として知られ、多くの奇怪な出来事が日常となっていた。村の長老であるベラムは、杖をつきながらゆっくりと旅人たちの前に姿を現した。彼の声は、朝のもやにかき消されそうに低く、しかし確かなものであった。「汝ら、失われしオーブを求める者か?」

段落三

ベラムの案内で、旅人たちは村の中心部にある古びた会館へと足を運んだ。壁は苔むし、天井はかすかに雨漏りをしており、木製の床は軋む音を立てていた。長老が語るには、オーブが失われてから夢と現実の境界があやふやになり、夢魔が村に現れるようになったという。このままでは村全体が危機に瀕するだろうと。

段落四

長老からの話を聞き終えた後、旅人たちは短い打ち合わせを行った。各々が情報を共有し、失われたオーブを見つけ出す手がかりを探る決意を新たにした。その夜、彼らは村の宿に留まり、夢と現実の狭間で何が起きているのか、そして自らが直面する運命に思いを馳せながら眠りについた。夜風が窓を叩く音が、不穏な夜の序曲であった。