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エルフの集いし大広間にて、王座に近き月光が煌びやかなる羽衣を着たエルダリオンが坐せり。彼の目は古木の如く深く、声は流れる川の如し。

「汝らの言に耳を傾けん。我が森の境界、侵す者ありや?」

閣下の問いに対し、門衛長アルヴィンが前進し、膝をつきて答えたり。

「森の東縁にて、黒き狼の群れ、見ゆ。彼らの意図、未だに明かでなし。」

エルダリオン、頷きながら言葉を返せり。

「狼たちの動向、密かに監視せよ。」

アルヴィン、頷いて席に戻りぬ。

次に進み出でたるは、賢者モリエン。彼の白き髪は月光に輝き、薄暗がりの中でも存在感あり。

「太古の文献にて、森を護る古の呪文を発見せり。その力、試みても良かろうか。」

エルダリオン、思索に耽りつつも、遂に承諾せり。

「その知識、試すのも時節か。しかしながら、全ての行動、慎重に。」

モリエン、一礼し、去りぬ。誰もが彼の計画に期待せり。

エルダリオン、静かに息を吸い込み、座の者々に視線を配せり。月光が大広間に満ち、未来への道が開かれたることを、彼ら全員が感じ取りし瞬間なり。