銭湯で得た知見

夕方までのバイトを終え、友人に教えてもらった銭湯に行くことにした。
家から徒歩5分。洗顔料を持ってくるのを忘れたため、ドラッグストアへ立ち寄り、少し遠回りをして行った。

静かな住宅街の間にあるその銭湯は、昔ながらの雰囲気と利用客でにぎわっていた。日曜日だからか家族連れがほとんどだ。
非常にさっぱりした店員さんに大人1名500円を払い、いざお風呂へ。
脱衣所や浴場はおそらく建て直さずにそのままなのか、レトロなロッカールーム、タイルのモザイク画で描かれた富士山は、昔ながらの銭湯そのものであった。地元の工務店に寄贈してもらったであろう古時計は、夜なのに16時を指したまま止まっていた。

果たして上京してきたよそ者の自分が入ってしまって良いのか、恐る恐る浴場に入ったが、何となく周りが行っている手順に倣いながらささっと体を洗う。
そして入湯!自宅がシャワーしかないため、数か月ぶりの湯舟はこの上なく気持ちいい。3連勤のバイト明けで足腰が疲弊しており、お湯の中でたくさんリンパマッサージをした。きっと浮腫みも取れただろう。もともと長風呂が苦手だったので15分くらいで上がってしまった。でもとっても温まったし、いつものお風呂の3000倍は満足である。

着替えを済ませた後洗面所に向かい、いつも通りのスキンケアを行う。旅行先のスーパー銭湯でもいつも感じてしまうことなのだが、大きな鏡に映った自分を見て「あ、私ってこんな顔してるんだ…」と、はっとさせられる。すっぴんだ、太ったな、この辺り肌荒れひどいな、髪伸びたな、、、良くも悪くもこんなにも自分の顔をまじまじとみることは無い。大人になったね、自信もっていいよと言い聞かせたい。銭湯の大きな鏡で自分と向き合えるのも魅力なのかもしれない。

脱衣所が混雑してきたので、そそくさと銭湯を後にしたが、私にとって貴重で、充実したひとときだった。人の温かさはもちろん、世代を超えて愛されてるのがものすごく伝わる。なんだか自分の地元に帰省した気分にもなった。あのおばあさんは私の年齢くらいの頃からここに通っていたのかな。
おそらくこの銭湯に通えるのはあと1年ほどだが、頑張った自分の御褒美にまた行こうと思っている。夏に行って帰りにコンビニアイスを買って食べるのもいいんじゃあないかしら。

今年の春休みはじっくりゆっくり自分のやるべきこと、好きなことに打ち込めそう。無理せず乗り切っていこう。。

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