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食いしん坊の日本人

ドイツ人の夕食が冷たくて簡素だと少し前に話題になりましたが、日本人ほど食にこだわる人たちに会ったことがありません。
昔、アメリカ人の上司に「日本人はいつも食事の話ばかりしている」と言われたことがあります。
たしかに、知り合いが来日してくると、ランチはどうしよう、ディナーはどの店にしようと食事の世話をまず考えてしまいます。
アメリカ人はメリハリが効いていて、人と会うときや記念日にはきっちりしたディナーを取りますが、それ以外の日の食事は結構雑な印象があります。朝食はパンとジャム、ランチはサンドウィッチだけとか普通です。
イギリスやフランス、イタリアの人は、もうちょっと食事にこだわりますが、日本よりバリエーションが少ないと思います。

食事にこだわるのは、アジアの人が多いですね。特に、中国の人は、日本人と同じぐらい食事にこだわる人がいますね。

日本人が食事にこだわるのは、僕が考えるに2つの主な理由があると思っています。
ひとつは、気候。四季があり、降水量が比較的多いので、多種多様な植物が育ちます。寒いときには温かい食べ物、夏は涼しい食べ物が好まれます。様々な食べ物を楽しめる環境が整っているわけです。
もうひとつの理由は、外国の食べ物を取り入れることに苦じゃないからだと思います。僕らが普段食べている料理の多くは外国由来です。ラーメン、カレー、ハンバーガー、パスタ、日本風に魔改造された料理が多いです。
日本料理も、伝統的な和食のほかに、鰻や蕎麦、天ぷらに寿司とそれだけでも多いのに、外国の料理が加わり、バラエティあふれる日本の食事を構築しています。

まあ、その多種多様な料理のせいで、料理をする人に多大な負担を強いているのも事実なのですが。

出版業界でも最近グルメ小説が流行っています。猿かに合戦の昔から、食べ物が出てくる話が日本人は好きですよね。
様々な料理があり、多くの人が知っているから、ネタに尽きませんよね。
拙作「ふたりの余命 余命一年の君と余命二年の僕」にも、グルメの女の子が出てきます。その子はめちゃめちゃ食事にこだわって、一緒に食事をしてくれるパートナーを求めています。
そういったキャラクターが成立するのは、日本人が食いしん坊だからですかね。

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