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マイナー好きのジレンマ

マイナーなものが好きです。
占いは一切信じていませんが、ステレオタイプのB型そのものの性格で「他人と違うこと」をしたがります。

好き嫌いがないので、梅干しを無理やり嫌いになった話とか、

好きな野球選手が斎藤雅樹だったり、

自分の人生を振り返ると随所に「人と違うことをする」姿勢が現れます。

マイナーなものが好みで、シェアNo.1のものを選ぶことは稀です。
車はホンダとマツダが好きです。以前はソニー、最近ではAppleのPCを好んで使います。

どうしてマイナーなものを選ぶのか。「他人と違うことをしないと新しいものを得られない」と思っているからです。
生まれた環境や自分の才能を客観的に考えると、他人と同じことをしていても自分が望む人生にならないと子供の時点ですでに感じていたと思います。
他人とは別の考え、別の角度から物事を見るようにしていました。

ニュースを聞いているときも、いつの間にかコメンテーターとは違う意見を考えます。仕事でも、王道のやり方ではなく、別のアイディアで問題を解決しようとしてしまいます。
この手法は当たれば大きな結果が得られますが、うまくいかないと大失敗する可能性があります。

マイナー好きは小説を書く上でも役に立つことがあります。小説には驚きが必要です。読者が先がわかってしまう小説は面白くないですよね。
読者を驚かせるためには、人と違うことを考える必要があります。そのためには自分のマイナー好きが上手く作用している気がします。
拙作「ふたりの余命」は、自分の余命を知る物語です。余命を題材にした小説の多くが、病気が原因でした。
病気だとどうしても病室のシーンが多くなるし、暗くなりがちなので、「ふたりの余命」では死神を登場させることにしました。
これも「他人と同じことをしたくない」という考えから生まれたアイディアでした(死神が余命を宣告する話は他にもありますが、余命の扱い方は斬新だったと思います。ネタバレになるので言えませんが)。

マイナー好きは良いことばかりではありません。デメリットもあります。
それはメジャーを嗜好する人の気持ちが今ひとつわからないことです。当たり前ですが、メジャーというのは多くの人が欲するからメジャーなわけで、世の中のマジョリティはメジャーなものが好きです。トヨタ車を買う人が多いから、トヨタは世界No.1のシェアを握っているわけです。

メジャーな人の気持ちを想像して、好みそうな小説を書こうとはしますが、どこまで寄り添えているのか自分が疑わしくなります。王道な小説を書いているつもりでも、マイナー好きの虫が騒いで、多くの人が知らないことを書いてみたりしてしまいます。

別にマイナーなことが好きな人は僕ひとりではないので、そういう人に向けた小説があっても良いのではとも思いますが。1%の人が共感してくれれば、全国で100万人の人が共感してくれるわけですから。


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