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DXにおける大きな勘違い(その5)

~Appleに憧れるのをやめましょう~

皆さん、「Appleの真似をしましょう。」と申し上げたらどう思いますか?
多くの方が、「あのAppleの真似なんて、うちの会社じゃ無理。」と思われるのではないでしょうか?会社の規模とかを考えれば、無理からぬことだと思います。

私が考えていることは、「AppleはDXのお手本」なのです。だから、是非、真似をして戴きたいと思っています。具体的に見てみましょう。

次の表をご覧ください。

出典:https://toukeidata.com/kigyou/apple_seles.html#google_vignette

ご覧のように1990年代のAppleは業績低迷に苦しんでいました。
①業績は赤字で、キャッシュフローも金欠でした。
②非効率なサプライチェーンのため在庫に苦しんでいました。
③非効率なロジスティクスのため物流と配送の遅延に苦しんでいました。

2000年には、これ等の問題を解決し以下のような結果に結び付けました。
①売上・利益の記録的改善。CCCでは、1993年:+116日  2019年:ー84日と資金不足から資金余剰への大幅改善。
②需給予測の精度を向上させるとともに、在庫管理を徹底し1995年に58.5日だった在庫日数を1998年には4.7日まで削減
③物流ネットワークを改善、顧客に対してリアルタイムで情報を提供する仕組みを構築したことで遅延に対する不確実性を減少させた。

Appleは、どうやってこれらを実現したのでしょうか?
Appleだから出来たのでしょうか?
勿論、iPhoneなどの新製品が成功したことは最大の要因かもしれませんが、新製品の成功と並んで、「業務改革」を大成功させたのです。順番に見て行きましょう。

①CCC改善においては、綿密なキャッシュフロー分析を行うために、社内のキャッシュに関わる全ての工程(=業務フロー)を明らかにして、取引条件などを含めた総合的な見直し。
②需給予測の精度を向上させると共に、在庫が発生するすべての工程(=業務フロー)を分析して課題を解決。
③物流ネットワークの改善では、物流のリアルタイム監視を実現。

如何でしょうか?Appleだから特別なことをした訳ではありません。基本に忠実に、各種の経営指標を把握・分析し、次に、関連する業務フローを可視化・分析した上で、着実に対策を実施した結果なのです。当然のことながら、これらの施策を打つにあたっては、システムを活用して、情報を「計測」「収集」「分析」したのです。即ち、DXの基本です。

DXの基本の流れ

DXの基本の流れ

Appleは巨大な企業ですから、人手で経営指標を追跡・管理することは不可能で、当然、デジタルを活用しているはずですが、内容は基本に忠実に上の「DXの基本の流れ」に則った行動をとっているのです。

「~憧れるのをやめましょう~」は、大谷選手の名言ですが、大谷選手が基本に忠実だと言うことも広く知られています。「基本」とは、大谷選手でもリトルリーグの子供たちも同じです。同様に、Appleでも皆さんの会社でも、変わりは無いのです。

もう、Appleに憧れて「眺めている」のはやめましょう。Appleは偉大な「お手本」なのです。取り入れられる点は、どんどん、真似しましょう。

DXで困っている方、悩んでいる方。個別のご相談に乗ります。ご一報ください。(まだ、HPが整理出来ていませんが、フォームからご連絡ください。)


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