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リアリティショックについて知っていますか?



こんにちは。手術室看護師のnanaです。

そろそろ部署に新人看護師が研修を終えて配属されてきた頃でしょうか?
私の病院でもついに初々しい新人看護師の皆さんがきてくれました。

さて新人看護師が臨床現場に足を踏み入れる際,多くの場合期待と現実の間にギャップが生じます。この現象は一般的に「リアリティショック」と呼ばれ,看護師としての理想と実際の業務遂行における現実とのギャップによって引き起こされます。

今回は新人看護師が直面するリアリティショックの原因と,それに対処する方法についてまとめます。手術室看護師だけでなく,どの病棟の看護師でも直面すると思います。新人看護師だけでなく,新人看護師を迎え入れている現場のどの看護師にも知って欲しいと思っています。


リアリティショックの原因

いくつか考えられる原因があるため,それぞれ考えていきたいと思います。


1.イメージと実際の言動のギャップ

新人看護師は,看護師としての理想像を持って現場に入りますが,実際の業務ではそれが実現しない場面に遭遇することがあります。例えば,患者とのコミュニケーションやチーム内での役割分担など,理想と現実のギャップに戸惑うことがあります。

2.期待と現実のギャップ


先ほどの内容と似てきますが,看護や医療に対する期待と,実際の業務内容や環境との違いにより,ストレスや不満を抱くことがあります。特に病棟では実際の患者ケアに費やす時間や,医療チームとの連携の難しさなど,予想外の現実に直面することがあります。

3.所属感のギャップ



配属部署にそろそろ配置されている頃だと思います。思い描いていた配属部署で働くイメージと実際のイメージが相違していた場合,不安や孤立感を感じることがあります。特に,チーム内のコミュニケーションや意思疎通の難しさが所属感のギャップを生むことがあります。また配属部署の希望が叶わなかった場合,よりギャップを抱き,希望の部署に配属された看護師よりもストレスを抱える可能性が大きいです。私自身も元々はICUへの配属を希望していたため,手術室配属となった時のストレスはかなり大きかったです。

4.学びと実践のギャップ

大学や専門学校で学んだ看護の理論や技術と,臨床現場で求められる実践方法との間には,しばしばギャップがあります。特に,臨床現場での緊急事態や複雑なケースに対処する能力の違いが学びと実践のギャップを生むことがあります。また病院ごと,部署ごとによっても細かなお作法が違うため,ほぼ一から技術を学んでいくことへのストレスは大きいかと思います。




5.予想される臨床指導と現実の指導のギャップ

新人看護師は臨床指導を受けることを期待していますが,実際の指導内容やスタイルが予想と異なる場合,戸惑いや不安を感じることがあります。指導にあたる先輩看護師との相性やスタイルの違いが指導のギャップを生むことがあります。




6.仕事の厳しさのギャップ

看護師としての覚悟や意気込みと,実際の仕事の厳しさとの間には,時に大きなギャップがあります。4月の時点ではまだ受け持ちも少なくあまり実感はないかもしれません。しかし受け持ち患者が増え,時差勤務や夜勤が始まってくると,身体的・精神的な負荷に直面することで,自分自身の限界や能力に疑問を抱くことがあります。



7.自己イメージと現実の自分のギャップ


自己評価と実際のスキルや能力の間に乖離が生じることで,自己肯定感の低下や自信の喪失を招くことがあります。自己評価が高い場合に,現実とのギャップによってショックを受けることがあります。




リアリティショックへの対応

リアリティショックは新人看護師にとって避けられない試練ですが,以下の対応策を活用することで,その影響を軽減し,成長の機会に変えることができます。


1.理解と準備


新人看護師に対して,リアリティショックの可能性やその原因について事前に説明し,心理的な準備をさせることが重要です。臨床現場での実態や業務内容を正確に理解することで,現実とのギャップに対処しやすくなります。

2.目標と理想の再確認



看護師としての理想や目標を持ちながらも,実際の現場での厳しさや制約を受け入れることが必要です。現実的な目標を設定し,それに向かって努力することで,自己成長を促進することができます。


3.相談と協力


同僚や先輩看護師との積極的なコミュニケーションを図ることで,困難や不安を共有し,共に解決策を模索することが重要です。経験豊富な先輩からのアドバイスやサポートを受けることで,リアリティショックを乗り越える力を得ることができます。



リアリティショックは新人看護師にとって避けられない試練であり,その克服には時間と努力が必要です。しかし,適切なサポートや理解を受けながら,新人看護師は自己成長と専門性の向上を達成することができます。
リアリティショックを乗り越える過程は,看護師として大きく成長できることに繋がります。はじめは辛く,しんどいと思うことが多いかもしれません。ですが初めから完璧にできる人間はいません。1日1個で良いので出来ることを増やすつもりでゆっくり丁寧な仕事を心がけて欲しいと思います。

また先輩看護師の皆さん,業務の合間に新人看護師の指導があり,上手く業務も回らなくなることもあると思います。時にイライラしてしまうこともあると思います。けれど新人看護師だって一生懸命なんです。今一度自分自身が新人だった頃を思い出してみてください。きっとリアリティショックを受けていたと思います。

ただ今の新人看護師と自分自身が新人だった頃では時代が違います。時代錯誤な教育方法や価値観を押し付けてしまうのは,一番やってはいけないことだと思います。私自身も日々今の世代に合わせた教育・指導方法は模索中です。一緒に頑張っていきましょう・・・

最後まで読んでいただいてありがとうございました。

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