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【ライブ日記#06】根本宗子『宝飾時計』


去年の秋ごろ、O脚矯正をするために三軒茶屋の整体に通っていた。初診からスネの骨自体が歪んでいるから矯正するのは難しいと言われ、しょんぼり帰っていたところ、駅に『宝飾時計』のポスターが貼ってあった。映画『もっと超越したところへ』の脚本も務めていた根本宗子さんの舞台。主演は高畑充希さん、そして私が今追っかけている伊藤万理華さんも出るではないか。帰りの電車の中で早速チケットを取った。

場所は東京芸術劇場。以前体調を崩した先輩の代打で行った『こどもの一生』以来だ。
(ちなみにこの舞台も最高だった、セクゾの松島くんを一生推していくことを誓い、ここから私の演劇鑑賞の趣味が始まった)

今回の舞台はストーリーの進み方が複雑で、回想と現在を行ったりきたりする。しかもその行き来がとてもシームレスで衣装を着替えるわけでもなくそれが何回も行われる。ただこの演出がとても美しかった。全く説明的じゃない。円形に回転する舞台と照明、そして場面の転換を知らせるバイオリンの音で時間の行き来を伝える。どこから考えたらこの表現で伝わると確信できるのか不思議。文章だけでも映像のイメージだけでも作れない。同時に考えないと出来ないと思える所業。これが舞台か、と思った。

それぞれの登場人物の設定が各キャストに重なる部分もあって良かった。キャストからストーリーを考えたのだろうか。とにかくキャストに対しての愛を感じた。子役時代にずっとピーターパン役で活躍されていた高畑充希さんはじめ、アイドルと俳優業にブランクのあった伊藤万理華さんだからこそ生まれる圧力のようなエネルギーを感じた。

それでいて、会話も面白い。同じ舞台で失踪した人の真相が明かされると思いきや、すっとんきょうなことを言うマネージャーや、人をイジったり日々の生きづらいあるあるも出てきてやられた。

最後高畑充希さんの歌には、正直驚いた。こんなに歌上手い人世の中にいるんだ。いやもう良い悪いで判断できるものではない。歌声ではなく「歌圧」とでもいうのだろうか、とにかく音というエネルギーがそのままぶつかってくるような迫力。

要するに、作った人も演じる人もカッケェ〜〜〜

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