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桜咲く井の頭公園を散歩して

 吉祥寺駅南口改札を出て、しばらく歩くと井の頭公園に続く小さな商店街がある。
こじんまりした通りにはカフェをはじめ様々な商店が軒を連ねる。
坂道の石段を下ると街の喧騒を離れ豊かな自然が広がる。
井の頭公園の正式名称は都立井の頭恩賜公園といい公園としての歴史は100年を越える。
以前は湧き水が溢れ徳川時代に上水路として整備され神田川の水源となったとのことである。
私は学生時代によく散策していた。他の公園と違い、都会でありながらも素朴な雰囲気に懐かしさを覚えた。そして、私は桜の満開情報にふれ久しぶりに訪れることにした。
 

公園に続く商店街 カフェをはじめ様々な店が軒を連ねている

 

石段を下ると公園に着く


石段を下ると公園内に足を踏み入れる。桜満開と聞きつけたのか平日にもかかわらず、公園内は観光客らしい人々で溢れかえっていた。
公園のほぼ中央にある井の頭池には橋がかかっている。

池にかかっている橋から望む

 

白鳥がいっぱい


橋の反対側の風景


 この橋からの眺望には見事なものがある。池の周り一面薄いピンクに染まり、青い空との対比がとても美しい。学生時代、桜の季節によく訪れていた。
私は久しぶりにこの場に立ったが、私の中にある記憶と少々異なる印象を受けた。思っていたよりも桜が少ないように見えたのだ。
もしかして曇天ということも影響しているのかもしれない。
灰色の空に桜の花びらの淡い色が溶け込みコントラストが低くなってしまっているのか。だが、それだけではないような気がする。
池の周りをゆっくりと散歩し、その理由が分かった。
老木が目立ち、枯れてしまった木が多いのだ。
樹齢何年くらいであろうか、枝先を池の中に落とし込んでいるものもある。
自分で枝を支えられないのか、池の中に設置した支え木に身を委ねている木もある。

  

樹齢何年になるのだろうか



細い枝から美しい花を咲かせている老木


  桜の木の寿命は50年とも60年ともいわれているが、井の頭公園の桜も世代交代の時期を迎えているのかもしれない。 しかし老木の先から伸びている細い枝に咲いている花びらをみたとき思った。一面に咲き乱れている桜も美しいものではあるが、老木が最後に放っているであろう命の輝きは、とても美しく尊いものであると。今にも雨が降りそうな曇天が私にそう思わせているのかもしれないが、いつまでもこの場に留まっていたい気持ちになった。 

 人それぞれ桜の楽しみ方がある。会社やグループ、家族や恋人たちが小さなシートを広げてささやかな宴会を繰り広げている。だが、どのグループをみても騒いでいる人はいない。ドンチャン騒ぎはこの公園には似合わないのだ。 白鳥のボートに乗っている人達が池にせり出している桜の下でボートを止め花びらを眺めている様子にはほっとするものがある。 
今回は青空の元ではなかったが、新しい発見もして、かえって良かった気がする。私は益々この公園が好きになった。 最後に、撮った桜の写真の中からいくつか紹介しておこう。 
 

井の頭弁財天 中央の橋から望む


貸しボート乗り場 順番待ちの行列が続いていた


岸から望む橋


池に落ち込まんばかりの桜木 ボートに乗った人が記念撮影していた



岸辺でカモがハイポーズ



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