空想に逃げる

わけもなく気分が冴えない時や嫌なことが続いてくさくさした時、まぁいっか と思える精神状態まで自分を連れ戻すために空想に逃げ込む 空想に深く潜り込んでまわりを遮断して ゆっくり水中から浮き上がるように回復するイメージ

いくつか紹介します 数ヶ月周期で入れ替わっちゃうから自分用の備忘録も兼ねて

ひとつめ
家の庭の地下にモグラ御用達の温泉施設があるのをイメージする 砂風呂(地熱であたたかい)とサウナもある 株式会社モグラ建設の福利厚生施設 という設定
そこでは日夜人知れず地球の環境をととのえてくれているモグラたちが過酷な肉体労働の疲れを癒やしている 日が沈んで暗い時間帯にはそっと地表で体を冷やしてととのっているモグラを見ることができる ただし見ていることをモグラに気付かれると温泉施設は引っ越してしまうから バレないようにそっと眺めるだけ

ふたつめ
脂身を食べる 空想だからいくら食べても胸焼けしない
豚の脂身 とんかつの端っこ 8割脂身です!みたいなところを一口でぱくり 一等大好き 自販機のホットコーヒーぐらいの温度 一瞬ぐにっとしてすぐ歯が通る 衣さくさく脂身ぐにさくさくじゅわじゅわで臨戦態勢
鮭の皮 脂がプルッとしずく型にかたまってるところを大事に食べる 噛むほど味が出る しんなりめもパリパリめも良いよね どちらかといえばパリパリ派
ぼんじりの焼き鳥を串ごとガブっと 串から外すようなお行儀の良いことは空想には不要なのです 串物は串のまま食べるのが一番おいしい 鳥の尻子玉食べてるの河童みたいでちょっと愉快 楽しさのレベルが10上がった テッテテーン
牛肉の脂身はかためでぐにぐに噛みごたえがあると嬉しい もぐもぐしてるうちにちょっとずつしぼんでいくのが愛しくなる 飲み込むときが最高潮
デザート代わりにバターを舐める キャラメルみたいな個包装 固形の舌触りはひんやりなのにとけるとすぐ体温とまざる 優しいバリアが張られていく安心感

みっつめ
夜道を歩く 肌寒いけど歩くのには丁度いい季節 小雨が降ってる中をほろ酔いで 濡れたアスファルトには信号の明かりがぼんやり 意味もなく歩道橋を歩く  明日はお休み しかも予定は未定 出かける前に煮込み料理を仕込んだ 煮込み料理って魔術っぽくて好きだなぁなんてつらつら考える 好きな人の体を構成するものを時間をかけて生み出し、家族全員で同じものを食べる だんだん各々の境目が湯気に溶けだす 曖昧になる 煮込み料理は時間を食べる料理でもある 煮込みながら読んだ本の内容 具材の形がゆっくり変わっていく 湯気が空気と混ざりまた鍋へ戻っていく すべて混ざってとけて幸せの化合物ができる 脳内で反芻しているうちに家につく 旦那と子供の変な寝相を見て安心する のんびり湯船でラムネを食べる

よっつめ
午後1時過ぎ スペインの海辺の町 人の気配はするのに誰も出歩いてない 白い壁の建物たち 昼食後の気怠さ アルコールのふわふわ 風がよく抜ける路地を旦那と探検するわくわく たまに同じツアーの人を見かける安心感 多分走馬灯で見る

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