極寒とギアセカンド

続きは明日と息巻いておきながら、すっかり書けずにおりました。
申し訳ない。
なんのこと?って方は、興味があれば、コチラをどうぞ。

蒸気を逸したミトコンドリア

さて、寒中入水を終え、コテージへ戻る。
5〜10分の距離だ。

極寒を経験した後なので、-4℃の外気など全く苦ではない。
むしろ、心地いい。

なので、そのまま海パン一枚で歩く。
目撃した人は、ド変態だと思っただろう。

夏場ならまだしも、真冬に海パン一枚である。

そして、不運にもここで友人に出くわす。

友人「あれ、温泉でも入ってきたの?」

 (…?何を言っているんだ?)

麻呂「い…や、か、わに…入ってき…ただけ、だよ!」

友人「え!本当に行ったの!?すごい体から湯気出てるから温泉入ってきたのかと思った!」

(温泉などこの時間やってないのに)

と思いはしたが、自分では気付かないほど、身体のミトコンドリアが活性化して、えげつない熱生産をしていた。

体が真っ赤になって茹でダコ状態で熱気を発していた。
まさに常軌を逸した行動で蒸気を逸した訳である。

正直、言葉の意味はよく知らない。

ただ、もう1つ気付いたことがある。
先程、の会話の違和感。

そう、熱生産に体が集中していたせいで、言葉が全く出なかった。
そして、話した途端、とんでもない寒気が襲ってきた。

恐らく、言葉を発したことで、熱が逃げてしまったのかもしれない。
言葉が話しにくかったのも熱を溜め込もうとしていたのだと思う。

すごい生命力…。生きる知恵である。

そして、ガクガクになりながら、隙間風の入る小屋型の風呂場へ。

そして、すぐに温かいお湯を浴びる。

ここからが本当の地獄だ。

霜焼けの状態でお湯を浴びたことがあるだろうか。

めちゃめちゃ痛かったはず。

それが体中で起きる。

温かさへのリラックスと追随するように迫りくる激痛。

まさに天国と地獄だ。

更にこのお湯を浴びる行為の代償がやってくる。これこそが僕が皆さんに一番お伝えしたいことだ。

暑ければ、窓を開けよ

突然ですが、真夏に部屋が暑くなったらどうするだろうか。
冷房がなければ、窓を開けるはずだ。

体の細胞達も同じ事を行っている。

つまり、暑いと感じれば、窓となる皮膚呼吸の孔を開く。熱を放出するためだ。

それでは、僕の入浴シーンに戻って頂こう。想像はしなくてよいが。

現状をおさらいしよう。

①外気によって体は冷え切っている。
②負けじと体内は熱生産を高めている。
③暑いお湯が降り注ぐ。

さて、このあと何が起こるか。

③によって、外気が暑いと勘違いした体は、全身の孔という孔を開放する。

覚えているだろうか、ここは隙間風が入る風呂場なのだ。

誤認した体の号令によって、全身の孔から冷気…いや、もはや凍気が入り込む。
途端に震えが止まらなくなる。

今まで震えなど起きていなかったのに。

さて、この状態で冷水を浴びる勇気がある人はどれだけいるだろうか。

間違いなく、正解は冷水を浴びて、体に再度窓を閉める号令を出させることなのだ。

川へは入れたが、一度この状態になってしまってからだともう無理だ。

なんと脆い心だろう。

全力で湯船にお湯を張り、入る。

だが、そもそも湯船が冷え切っているのでそこに熱湯を張ろうとぬるま湯であった。

背に腹は代えられぬ。というわけで、震えながら肩まで浸かる。

止まらぬ震え、迫りくる凍気、冷水を浴びるかの葛藤…。

全然リラックスできないまま、ようやく、呼吸を整えることに思考が向かう。

決して温まらないが少し落ち着いた。

そして、意を決して、温度を赤いラベルから青いラベルへ変える。

頭から浴びる。

ひたすら呼吸する。

決して止めてはいけない。
止めれば、ミトコンドリアが燃えずに致命傷になる。

復活…。
とまでは至らないが、これにより体の孔が閉じたので幾分楽になった。

急いで体を拭いて、パン一で部屋に駆け込んだ。

湯冷めの正体

ここまででお気づきだろうか。
体は熱を浴びれば、孔を開き、水を浴びれば、孔が閉じる。

温泉の後に湯冷めすると聞くことがあるが、それは温まって孔が開いたまま出てしまうからだ。

この時期風呂上がりに乾燥するのも同様。

孔が開放されたまま乾燥した空気の中にいれば、体内の水分が気化して出ていく。

だから、肌が乾燥する。

というわけで、完全な冷水でなくても構わないから、例えば、少しヒヤッと感じるぬるま湯や水に浸して絞ったタオルで体を拭くだけでもいい。

お風呂出る前にこれをするだけで、体が湯冷めせず、乾燥しないしっとり肌で生活できる。

何より、それだけで代謝コントロールが上がるので、これは是非ともやってもらいたい。

間違っても興味本位で寒中入水はしないことだ。
これを読んで、挑戦したところでこちらはなんの保障も責任も取れませんので。

まずは、挑戦するなら水シャワーで自分の細胞の力をきちんと実感することから始めてみてほしい。

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