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ある日の夢「写真家」

大きな耳をもった猫のような灰色の動物が覗き込んでいる部屋で、私は写真家のように裸婦を撮っている。裸婦に要求する一つ一つのポーズには大した意味はない。ただ、時間の流れにそって連続していくポーズを次々と捉えていく。これは地層だ。折り重なっていくその人の層のどこかに、絵にしなければいられない衝動に突き動かされるような力をもった層に到達するために、掘り進めているのだ。

しかしその層は、私の層でもある。私がその衝動に突き動かされるのは、結局私の中の層と目の前の裸婦の層が共振した事を指し示している。だから私は女性達を撮り描きながら、私を探しているのだ。

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