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那須川天心vs武尊、どちらが強いか?

まずはもともと、私は那須川天心が勝つ派でした。

まぁそうは言っても、割合は6対4位でしょうか。もちろん大接戦にはなるとは思いますが、しかし競り勝つだろうと言う意見でした。

理由としては、それまでの2人のキャリアです。

まず以前にも述べましたが、武尊はK-1の看板選手となってしまった以上、基本的には負けるのが許されない立ち位置になってしまいました。それは彼が素晴らしい強さを発揮して、逆境を克服してきた結果であり、それ自体は賞賛されるべきものだと思います。

しかしそのせいで、まず勝てないだろうと言う選手はおろか、勝つか負けるか五分五分と言うレベルの選手とすら戦う機会は、奪われました。これはある意味、不安だとさえ思います。選手はやはりあるときはケタ外れの相手と戦って、決定的敗戦を経て、その上で自分を完全に分解して、再構成する必要があります。

これは将棋でも言われていたことで、どんなに強い棋士でも名人とタイトル戦を戦えば、いちどは調子を崩すそうです。それは7番勝負の最中で、これまでの自分ではダメなんだと徹底的に思い知らされるから、いちどバラバラにして、また組み直さなければいけないと骨身に知らされるからだそうです。

二人のバックボーン
武尊は以前も述べたように、空手の、それを極めて高度な、しかし基本的な理念をベースとした、素晴らしい戦い方です。

対する那須川天心は、常に逆境にいました。対戦相手はそのほとんどが、まず勝つ事はありえないと言うレベルの選手ばかりでした。そもそもがその名を知らしめたワンチャローンセンチャイジム自体が、伝説的な相手です。それを後ろ蹴りのいっぱつで、意識を吹っ飛ばしてしまうなんて考えられません。

なぜそんなことができたのかと言う理由をひもとくために、那須川天心のインタビューが大変参考になりました。

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