オーディションに落ちた芸人さんに知って欲しい話
僕が構成作家2年目とかで、今よりもっと若手だった頃の話です。
とある番組のとある企画に参加する若手芸人さんを選ぶオーディションをすることになり、その回の担当だったこともあり、ディレクターさんと一緒にオーディションに同席させてもらう事がありました。
テレビ番組のオーディションって嫌な空気というか、ちょっと芸人さんに厳しいこと言うのかなと当時の僕は思っていたのですが、そのディレクターさんは若手の芸人さんに優しく、なんだったら「そのギャグ面白いですね!」とか「その話めちゃめちゃ面白いなぁ」などとオーディションに参加した芸人さんをよく褒めていました。
オーディションが終わった後「もっとオーディションって厳しいこというのかと思ってました」と僕がそのディレクターさんに言うと、その方が…
「面白くても”今回の企画には合わない”って理由で落とすことがあるんだけど、芸人さんには”オーディションに落ちた”っていう事実しか伝わらないから”面白くなかったんだ”って思ってしまうじゃん?俺は有名ディレクターでもなんでもないけど、俺みたいな奴が褒めた言葉でも、その芸人さんの支えになるかも知れないから”面白い”って言葉にして伝えるようにしてるんだよね」
と言いました。
めちゃくちゃ良い人ですよね。
めちゃくちゃ優しい人ですよね。
謙遜してましたけど、その方は有名な番組を何個も手掛けているとても凄腕のディレクターさんです。そんなポジション、年次になっても芸人さんへのリスペクトを忘れない人がいるんだと感動したのを覚えています。
あれから6〜7年経っても忘れてないからよっぽど心に刻まれた言葉だったんだと思います。
本当に心を打つ言葉ってメモしなくても忘れないものなんですね。
もう1つその人が言っていた言葉でめちゃくちゃ印象に残っているのは
「俺はその人の顔を見れば、その日シコったかどうかわかる」
です。
本当に心を打つ言葉ってメモしなくても忘れないものなんですね
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