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『帰ってきたウルトラマン』を観ました。(41話〜51話まで)

凡例のようなもの

 以下の感想は視聴当時(2020年7月26日〜2020年8月16日)にふせったー(指定した箇所を伏せ字にしてツイート出来るツール。追加で長文も付けることが出来る)を使用してツイートしたものです。省略した句読点の追加や、語句の統一程度の推敲はしましたが、ほぼそのまま掲載しています。
 今回は第41話から第51話までの分を扱いました。
 全体的にネタバレや、感想を読む方が視聴していることを前提とした内容です。まだ未視聴の方は、その点をご留意ください。

『帰ってきたウルトラマン』第41話を観ました。

 『ウルトラマン』以来3度目のバルタン星人の登場でしたね!
 この『帰ってきたウルトラマン』は、『ウルトラマン』や『ウルトラセブン』と同じ世界観の別時系列、別世界の話だと思っていたのですが、郷秀樹がバルタン星人のことを「とっくに死んだ」と言っていたり、バルタン星人ジュニアが「父の仇討ち」と称して侵略行為をしようとしていたりと、『ウルトラマン』の時系列を受け継いでいる気配がします。『帰ってきたウルトラマン』の世界は、『ウルトラマン』の世界と同一のものということでしょうか。初代ウルトラマンは過去に本当に地球を訪れていて、新ウルトラマンは〝ウルトラマン〟としては「帰ってきた」存在ということでしょうか。
 今まで『ウルトラマン』『ウルトラセブン』『帰ってきたウルトラマン』は世界観を共有しつつも別世界の話だと思っていたので、ここに来て混乱が起きています。『帰ってきたウルトラマン』では、客演として初代ウルトラマンやウルトラセブンが登場はしましたが、過去の話として『ウルトラマン』を振り返ったりすることが無いのでそのあたりの関係がよく分かりません。逆に言えば、過去の『ウルトラ』シリーズを知らなくても面白いということでもあります。
 今回は、坂田兄妹が亡くなった後の、次郎くんと郷秀樹の関係を見直す回でもありました。郷は次郎くんの兄代わりになるつもりだったようですが、いまひとつ親しい関係には至っていなかったようですね。今まで通りに「郷さん」「次郎くん」と呼び合っていましたが、次郎くんが「兄さんなら、ぼくのことを『次郎くん』なんて呼ばない!」という兄貴観を主張したことにより、郷はそれに従って次郎くんを呼び捨てにすることになりました。最終的には兄代わりになること自体が間違っていたと思うに至り、親しい友達になることを目指すようですね。
 ビルガモ作戦は、MAT隊員達や次郎くんら民間人の子供までも人質に捕るという、卑怯な作戦でした。今度こそピンチ極まったと思いました。ウルトラマンの脚が燃えた時はどうなるかと思いました。素体になったビルに弱点が残っていて本当に良かったです。
 バルタン星人ジュニアの作戦は失敗に終わりましたが、「勝負はまだ1回の表だ」と言っているあたり、まだやる気のようですね。次も続くということでしょうか。ウルトラマンが見事に勝利を収めることを期待します。

『帰ってきたウルトラマン』第42話を観ました。

 岸田隊員による爆撃シーン、ギャグっぽかったんですけど、きっとギャグじゃないんですよね?
 前回、バルタン星人ジュニアが「勝負はまだ1回の表だ」と言い残して去って行ったので、今回も登場するのかと思っていましたが、結局関係が無かったようですね。あれはきっと、これ以降も登場出来る余地を残したということでしょうか。バルタン星人は地球人感覚で言えば天文学的数字の人口を抱えており、これからも登場しておかしくないなと思っていましたが、『ウルトラマン』の時点で旅行中に起きた母星の災禍から逃れた集団や、その集団の滅亡を知った者しか残っていない様子でしたし、可能性は低いという見方もあるのかも知れません。兎に角、これ以降バルタン星人が登場するようなら「ジュニアだ!」と思えば良いのでしょう。次の登場を期待しています。
そして今回は太陽光線を操作して蜃気楼のように見せる怪獣が登場しました。
 今までアローやジャイロで攻撃していた時、当時最先端を行く科学力を持つMATのことですし、レーダーを使っていると思っていたのですが、今回「よし、レーダーを使って怪獣の位置を特定しよう!」としていたのが意外でした。逆に言えば、今まで目視で火砲攻撃を行っていたということですよね。レーダー自体は(Wikipediaによれば)1930年代には実用化されており、日本でも第二次世界大戦中に所謂「電探」が登場しているので無いはず無いと思うんですけど、今までレーダー無しで戦っていたということでしょうか。MAT隊員達の射撃技術の高さ、計り知れませんね。
 しかし、怪獣や星人の能力によってレーダーが撹乱されていたのを知った時の岸田隊員の混乱っぷりは凄まじかったですね。軍人一家出身のエリートとして、MATの一員としての意識がとても高く、命令絶対尊守している印象が強かった岸田隊員が、レーダーが当てにならないことを知った隊長から「攻撃中止」の指令を受け取ったのに、誘導ミサイルでの攻撃を続行するなんて、思っても見ませんでした。岸田隊員が攻撃を続けることによって発生する、数々の爆発と、それらを避けるMAT隊員や駐在さん、そして村人達の様子は、本当はシリアスに捉えるべきでしょうが、寧ろ滑稽に観えました。
また、ウルトラマンと相対した時の怪獣の迫力もすごかったです。ブレスレットの力によって本当の大きさに戻されたものの、最初に観た時の、ウルトラマンの何倍もの大きさにはびっくりしました。
 最初はすごく真面目で郷と対立していた岸田隊員は、今となっては郷と組む頻度も多く、とても仲良しに観えます。彼がこれからどう活躍するのかにも注目して観ていきたいと思います。

『帰ってきたウルトラマン』第43話を観ました。

 隊長の休暇や、MATに入隊したいみなこちゃんなどが描かれました。
 今まで郷秀樹がよく休暇を取得している様子が描かれてきましたが、今回初めて伊吹隊長が休暇を取る様子が描かれました。MAT隊員達が「何故今までそのことに気づかなかったんだろう」「それは俺達が気ままな独身だからさ」と口々に言っているところを見ると、郷秀樹だけではなく、劇中に描かれていなかっただけで、本当は隊員達は郷と同程度に休暇を取得していたのでしょう。代わる代わる休暇を取っていて、皆がその調子なので「隊長もそれなりに休暇を取っているだろう」と思い込んでいたので、「何故今までそのことに気づかなかったんだろう」という台詞に至ったのだろうと考えます。
 ただ、隊長は普段の仕事のルーティーンが抜けないのか、休暇中にも関わらず本部と連絡を取っている様子でした。幸いにも、それが星人の計画の妨げになったのですが、本来ならば休暇は仕事のことを気にせず、好きな時間を過ごすことだと思います。隊長が仕事や星人による地球の危機など気にせずに、家族との時間を過ごせる時が来ると良いのですが。
 また、娘のみなこちゃんが「MATの隊員になりたい」と言っているのも特筆すべきことだと思います。「私はウーマン・リブ派なの」と言っていたが聞き慣れない言葉だったので軽く調べてみたのですが、女性解放運動のことだったのですね。日本では1970年にウーマン・リブ大会が開かれているので、『帰ってきたウルトラマン』放送当時はその運動真っ只中だったことでしょう。「男女は社会的には対等・平等であって、生まれつきの肌の色や性別による差別や区別の壁を取り払うべきだ」という考えは、現代のフェミニズム運動の原点だと思います。現在は丘隊員がMATの紅一点として頑張っていますが、男女の関わりなく地球防衛のために尽くす人々が集まって活躍するべきだと思うので、みなこちゃんの将来には注目ですね。
 星人に誘拐された伊吹夫人の覚悟は壮絶でしたね。いよいよMATが怪獣と戦い出した時、星人に殺されるかもしれないと考え、みなこちゃんに共に「遠い遠いお国」に来るように諭した時の様子は、まるで敵の辱めを受けまいと覚悟を決めた武士か軍人の奥方のようでした。伊吹夫人も同様の考えだったのでしょうか。
 今回の戦いは御神渡りが発生するような、極寒の湖が舞台でしたね! ウルトラマンもその中に脚を突っ込んだり、叩き落されたりしていましたが、大丈夫でしょうか。『帰ってきたウルトラマン』では他にも湖や海辺での戦いが多かったですが、戦うにしても撮影にしても苦労が多そうですね。

『帰ってきたウルトラマン』第44話を観ました。

 何故宇宙人との恋は爆散しないといけないのでしょうか。
 今回は岸田隊員とケンタウルス星人の広田あかねさんとの恋が描かれました。
 恋に落ちた岸田隊員のウキウキした様子が分かりやすかったですね。一目惚れだったのでしょうか、病院に1日2回も見舞いに行ったり、花束を持参するなど、今までの岸田隊員のキャラクターが崩れる程にウキウキしていました。自分で勝手に結婚を夢想するまで、あかねさんにぞっこんだったに違いありません。
 岸田隊員は自分の予想だにしないことが起きると、混乱する傾向がありますね。以前、蜃気楼に惑わされた時も、レーダーが騙されることを認めまいと誘導ミサイルを撃ちまくっていましたし、今回はあかねさんにフラれたストレスから自暴自棄になり、自動車で突撃するなどしました。
 ところで、わたしが思うのは、何故宇宙人との恋は悲哀に満ちていて、成就しない運命にあるのかということです。わたしが無知なだけかも知れませんが、宇宙人との恋で成就した例を知りません。
 『ウルトラセブン』でも『盗まれたウルトラ・アイ』で、母星から見捨てられたことで命を絶ったマゼラン星人マヤとモロボシ・ダンとの淡い恋が描かれた他、本編自体がM78星雲から来たウルトラセブンことモロボシ・ダンとユリ・アンヌとの恋愛要素が含まれていました。それも観た通り、有名なクライマックスとして語り継がれる程になりました。
 『帰ってきたウルトラマン』もM78星雲から来たウルトラマンと融合した郷秀樹と坂田アキさんとの恋愛は、以前観た通り悲しい結末を迎えましたし、今回の話も岸田隊員と広田あかねさんの恋は激しく燃えて終わりました。どうして宇宙人との恋は成就されないのでしょうか。「友達になれたのに残念だね」「将来、宇宙人と友達になれる日が来るといいわね」……ではありません! どうして宇宙人というだけで、友情が先送りにされてしまうのでしょうか、納得行きません。
 けれども、やはり郷秀樹の言う通り、岸田隊員は「最初に宇宙人の心に触れることが出来た」地球人だったということは言えると思います。岸田隊員とあかねさんの最期の別れは、『ウルトラセブン』クライマックスに匹敵する美しさだったと思うし、今までウルトラマンの人間態達が中心になってきた異星人同士との恋愛の中で、地球人の立場として一翼を担ったと思います。
 これからも悲愛でもいい、宇宙人と地球人の恋愛模様が描かれる時が来ると良いなと思います。

『帰ってきたウルトラマン』第45話を観ました。

 何故宇宙人とは友達になれないのでしょうか。
 今回は郷秀樹=ウルトラマンを暗殺するべく暗躍する異星人が登場しましたね。ボールペン型爆弾を使って爆殺しようとしたり、麻酔で身体の自由を奪おうとしたりと、作戦の陰湿さが顕著でした。サブタイトルに「暗殺」と入っている回だと『ウルトラセブン』での『セブン暗殺計画』がありますが、あれは地球人に向けてアピールする必要性から〝公開処刑〟の意味合いが強かった印象がありますが、今回は変身前の状態を狙って犯行を行っており、確実に殺そうとする意図が強く感じられます。
 郷秀樹が罹患してしまった鼠咬症、最近ではあまり聞かない病名ですが、70年代は鼠に噛まれることがまだ一般的に起こっていたのでしょうか。とは言え、鼠の出現自体は対策していないと起こるし(冬場になると屋根裏を伝って出現したりします)、ホームセンターでも受け付けていたりするので気をつけなければなりませんね。
 ところで鼠怪獣ロボネズに噛まれたことによって鼠咬症になった郷秀樹でしたが、そのお陰で飛行機爆破に巻き込まれずに済んだのですよね。ロボネズを差し向けたのは異星人だと思っていたのですが、鼠咬症のことまでは計算出来て居なかったのでしょうか。
 また、乗客のバッグの中にボールペン型爆弾を仕込むことによって行われた犯行でしたが、手荷物検査さえすれば防げたような気がします。
 成田空港サイトによると、『1970年代から航空機を乗っ取ることを目的としたハイジャック事件が世界各国で起こるようになりました。それに対応して航空機へ乗る際に保安検査を実施するようになりました。お客様の保安検査をしっかりすればハイジャックを防止することが出来ますので、世界各国で徹底される様になりました。日本でも1973年からお客様への保安検査及び、機内持込み手荷荷物の保安検査がスタートしました。』とのことなので、『帰ってきたウルトラマン』放送当時は手荷物検査が行われていないぎりぎりの時期だったことになります。
 『帰ってきたウルトラマン』を観始めてから、政治経済の勉強に役立ちそうな事柄を少しずつ覚えて来ている気がします。これも『ウルトラ』シリーズを観るべき理由のひとつになれそうですね。
 ところで、また宇宙人と友達になれる機会を逸してしまった感じがします。いくら白鳥さんが暗殺に関与していたとしても、黒幕は別に居て、本人は反省していることですし、次郎くんと友達になってもおかしくなかったと思いますが、やっぱりだめなのでしょうか。宇宙人との友情の道は険しいですね。

『帰ってきたウルトラマン』第46話を観ました。

 紙芝居の内容と、ウルトラマンを追い詰めるための手段が連続していないのが微妙だった気がします。
 紙芝居の内容自体は別段悪いというわけでは無いと思います。「ウルトラマンは宇宙人じゃないか。地球を守るために宇宙人の手を借りちゃいけないよ」という紙芝居おじさんの主張には悪意があったかも知れませんが、『ウルトラセブン』ではキリヤマ隊長がウルトラセブン最後の戦いを目の前にして「行こう! 地球は私達の手で守らなくてはならないんだ」と決意を固めますし、『ウルトラマン』でも去っていくゾフィーとウルトラマンの光球を見て、「これからは地球は私達の手で守っていこう」と言っています。『帰ってきたウルトラマン』でも、最終的には地球防衛はウルトラマンの手を離れてMATを始めとした人間達に返す時が来ると思います。
 ただ今回悪質だったのは、郷に子供を撥ねた容疑を擦り付けようとしたことでしょう。郷がMATを辞めれば、地球の危機に駆けつけることも困難になると思いますし、そもそも謹慎処分になれば、郷の戦いへの意識が変わる可能性すらあります。
 かと言って、郷がウルトラマンに変身出来なくなるかと言えば否です。郷秀樹とウルトラマンは一体化しており、変身アイテムすらありません。盗まれ放題だった『ウルトラセブン』と違い、アイテムが無いことで変身を妨害する機会が無くなったのは大きいと思います。
 それに、紙芝居の中でも結局はMATがとても活躍しているので、地球侵略に対する人間側の防衛手段を非難しているわけではないんですよね。「地球を守るために宇宙人の手を借りちゃいけない」と言っているだけなので、逆に言えば「自分達人間の手で地球を守るためにMATに入隊しよう」という扇動にすらなっている気もします。
 また、子供向けとは言え紙芝居の中で怪獣の主だった特徴を公開してしまっているので、これがMATに知られれば対策を練られる可能性もあったのではないでしょうか。これでは下手に紙芝居をする必要性すら疑わしくなってきます。
 なので今回の異星人のウルトラマンを追い詰める作戦は、決定打に欠けている印象がとても強いです。何故このような回りくどい作戦を採ったのでしょうか。不思議です。
 ところで今回のウルトラマンの戦いはとても格好良かったですね。ブレスレットの変形した鞭でブーメランを奪取するところがとても気に入りました。ブレスレットの変形は、それぞれほぼ1回ずつぐらいしか観れていないのが残念です。毎回違った変形を観せてくれるのは、ワクワクがあり楽しいし、ブレスレットの万能性が感じられて驚きの連続なのですが、今まで観た中でも格好良くてまた観たいブレスレット武器があるので、また剣になったり、鞭になったりするところが観たいですね。

『帰ってきたウルトラマン』第47話を観ました。

 丘隊員の存在から、女性の社会的地位について考えさせられる回でした。
 登場した怪獣はフェミゴンという名前でしたが、そういう意味ではこの回にぴったりの名付けだと考えます。きっとフェミニズムから取って付けられたものだと思いますが、サブタイトルや劇中の行動から考えるに、女性に取り憑き、宿主となった者の集中能力などを低下させる習性があるのでしょう。働く女性の代表である丘隊員に焦点を当てるにぴったりな特徴だと思います。
 今までの『帰ってきたウルトラマン』のMAT隊員達の業務の描写の中でも、隊員達の休暇の取得状況や、タスクの管理などは登場していました。しかし、今回始めて丘隊員という働く女性の代表が描かれました。この中でなかなか衝撃的だったのが、「男は会社で働き、女は家を守る。当たり前のことじゃありませんか」という台詞でした。今まで積極的な休暇の取得やウーマン・リブ運動のことが示唆されてきたのに、今回の丘隊員の言動はそれに反することではないでしょうか。
 とは言え、男女の実質的な機会平等を目指した「男女共同参画社会基本法」が施行されたのは1999年で、『帰ってきたウルトラマン』よりおよそ30年後なのですよね。そう思えば、男性隊員達がMATアローやMATジャイロで外に出て、パトロール任務を負っているのに対し、丘隊員が多くの場合にMAT基地に残って通信オペレートをしているのは、そういった社会的背景があるような気がします。
 今回はそんな女性の存在に焦点が当てられた、貴重な回だと思います。

『帰ってきたウルトラマン』第48話を観ました。

 工場が操業を怠けた途端に煙を出さなくなり、空気が清浄化され、空が青くなるのは、すごく皮肉が効いていると思いました。
 滅茶苦茶ギャグ回でしたね! ヤメタランスの放出する放射能に感染した者全てが、自分のやるべきことを怠けるようになるのは、最近観た『ウルトラ』シリーズでは『ウルトラマンマックス』に登場した挑発星人モエタランガのウイルスの効果の真逆のようですね。
 でも、ヤメタランス自体には攻撃性は無いのですよね。自分の意図しない性質のせいで、相手のやる気を奪ってしまうところは、むしろ同じく『ウルトラマンマックス』に登場した宇宙化猫達を連想させます。宇宙化猫達は、そこにいるだけで周囲の有機生命体の脳に働きかけ、長期記憶能力を奪っていました。
 しかしウルトラマン=郷秀樹のみがヤメタランスの感染が遅れるというのは、上記に挙げた怪獣の中でも特筆すべき特徴ではないでしょうか。ヤメタランスの説明によれば、ヤメタランスの放出する放射能は人間に作用するということです。人間というのは、イコール地球人なのでしょう。だから、ヤメタランスをけしかけた宇宙人や、ウルトラマンにはある程度耐性があったのかもしれません。ただ、ウルトラマンは地球人と融合しているので、ウルトラマンと郷秀樹で半分宇宙人であり、半分地球人なので、感染が遅れたのみになってしまったのでしょう。
 けれども、このようなギャグ回でも社会への皮肉を忘れないのはすごいと思います。皆が仕事を怠けているので交通事故がゼロ、工場が怠けたために排気ガスが無くなり、青空が広がるというのは、その頃の社会問題への批判ではないでしょうか。
 エンターテインメントを優先しながらも、問題への批判を忘れない姿勢はすごく好きです。

『帰ってきたウルトラマン』第49話を観ました。

 サブタイトルの『宇宙戦士』の意味が分かった瞬間、ひやりとさせられました。
 サブタイトルが『宇宙戦士 その名はMAT』だったので、MAT隊員達が『ウルトラマン』や『ウルトラセブン』などの前作までの『ウルトラ』シリーズの防衛隊員達のように宇宙進出して、怪獣と戦うストーリーかと思いました。しかしその内容は真逆で、宇宙からやってきたミステラー星人によって誘拐されて、ミステラー星人に戦争に利用されかけるものでした。
 今まで宇宙進出は、科学の進歩によって得られる素晴らしい成果のように思っていたのですが、必ずしもそうではないことを改めて察せられました。『ウルトラセブン』では宇宙探査・研究のために打ち上げた衛星によって、宇宙人が侵略しに来るきっかけになったりしたことは観た通りですし、『ウルトラマン』では宇宙開発の段階で争いが発生し、宇宙人の侵略に利用されるなどしたこともありました。宇宙進出そのものが、良い結果を生むとは限らないことは、今まで何度も示されて来ました。このことは、今後も忘れてはならないことだと思います。

『帰ってきたウルトラマン』第50話を観ました。

 地底人類による地上への侵略行為が描かれました。
 今回の描かれ方はそうでもありませんでしたが、地底人類や海底人が登場すると、「地球は人間だけのものではない」ということが感じられて良いですね。
 『ウルトラマン』では地底人がテレスドンを引き連れて登場し、『ウルトラセブン』ではノンマルトがその姿を現しました。近年でも『ウルトラマンマックス』で地底文明デロスが登場しています。
 その多くでは、地上の人類が他の文明の恩恵を侵犯し、相手の文明が反撃に出る様子が描かれました。中でも『ウルトラセブン』の『ノンマルトの使者』はその代表でしょう。ウルトラ警備隊がノンマルトの都市を破壊したことで、まるでこちら側が侵略者になった心地がしたものです。
 あの経験があるので、今回も単なる地下文明からの侵略と思えない節があります。描写されなかっただけで、本当はこちらに非があるのではないかと考えてしまいます。
 どっちにしろ、地上に姿を表した者はウルトラマンの攻撃によって倒されてしまったので、真相は藪の中です。

『帰ってきたウルトラマン』最終話を観ました。

 本当に最終回なのが信じられないです。いつまでも地球を郷秀樹とウルトラマンとMATの愉快な仲間達で守っていて欲しかったです。
 突然祝言を挙げ始めた時はびっくりしました。バット星人に邪魔されたとは言え、主人公とヒロインの幸せな結婚は、ストーリーの結末に於いてハッピーエンドの形のひとつなのかも知れません。
 個人的には、これが郷秀樹と坂田アキさん、立会人に坂田健さんを加えた状態で観たかったのが本音ではありますが……
 それにしても、今回は突然にバット星人の地球侵略が始まり、『ウルトラ抹殺計画』とウルトラの星への攻撃の示唆があり、それに伴うウルトラマン=郷秀樹の地球への別れがありました。
 やはり『帰ってきたウルトラマン』は『ウルトラマン』の時系列を継いだ世界の話なのですね。ゼットンの存在や、初代ウルトラマンがゼットンに敗北したことなどは、新ウルトラマンと融合した郷秀樹の夢のみならず、伊吹隊長を始めMAT隊員達共通の知識でした。やはり、あの初代ウルトラマンとゼットンの戦いは、彼らの強さ含めて語り継がれているのですね。
 今回の戦いは地球史上2度目のゼットン戦となりましたが、ある程度装備に余裕のある状態で戦えたと思います。『ウルトラマン』の時と同じく、基地は破壊されたわけですが、航空兵力であるMATアローも保持し、地上の兵力もありました。バット星人の乱入もあった割には、上手く抵抗出来たのではないでしょうか。語り継がれていた初代ウルトラマンとゼットンの戦いが、MAT側とウルトラマン側で生きた結果だと思います。
 とは言え、郷秀樹=ウルトラマンとの別れは辛いですね。MATアロー最後の出撃の時点で、郷秀樹はMAT隊員達との別れを覚悟していたようですし、ウルトラマンが地球を離れることはあの時点で決まっていたのでしょう。
 思うのは、『ウルトラマン』の時のように郷秀樹とウルトラマンが分離出来なかったのかということです。命をひとつ調達しなければならないので、そう簡単なことではないのは分かります。しかし、地球を離れるということは、郷秀樹を連れて行かなければならないということです。郷秀樹のほうも、残った家族や次郎くんを残して行かなければないらないという、相当な決心があったに違いありません。
 でも次郎くんに教えられた『ウルトラ5つの誓い』は、これから次郎くんが生きていく上で大きな支えになるでしょう。次郎くんは郷に言われた通りMATに入るかも知れないし、お兄さんの後を継いで自動車屋さんになるかも知れません。何になるにしろ、『ウルトラ5つの誓い』は、郷の遺していく大きな財産です。
 ありがとう、郷秀樹! ありがとう、ウルトラマン!!

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