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久しぶりに高速に乗ったら怖くてずっと心臓が痛かった話

少し前の話だけれど、ちょっと遠くに行こうと思ったことがあった。あと半年以内くらいで、自分を取り巻く環境ががらりと変わる予定だったので、今住んでいるところから行ける範囲の行きたいところに行こうと思い立ったのである。


一番行きたいのは県外の美術館だった。けれど私が車で行ける範囲で、その時どうしても見たい展覧会をやっているところは無かった。となると次に行きたいのは景色の綺麗なところか神社仏閣なので、隣県の由緒ある神社に行くことにした。

隣県に行くには高速に乗らないといけない。体調不良とコロナ禍が相まって、高速でしっかりとした距離を走るのは2年以上ぶりだった。
まあ、なんとかなるだろうと深く考えず高速に乗ってみたはいいものの、めちゃくちゃ、もうめちゃくちゃ怖かった。2年前までは結構車で旅行もしていたので、私のこの小さな軽自動車で、片道4時間高速を走って友達と旅行に行ったこともあった。なのに2年本気で走っていないと私の体はすっかり感覚を忘れてしまったようだった。

走っているととにかく、この高速道路というものの上で私が一番スピードが遅いんじゃないかという気になってくる。でも制限速度80でしょ?道の脇に80って数字が出たやつが立ってるじゃないか。80出してたら良いんじゃないの?なんでこんなに後ろが詰まってくるの!?と思って、試しに100キロ手前くらいまでスピードを出してみても、後ろの車との車間が開かない。みんな何キロ出してるの!?高速って何キロ出すのが普通なの!?と、怯えながら頑張ってスピードを出して走った。すると今度は、スピードを出しすぎたら車が爆発するんじゃないかという謎の恐怖に襲われ始める。新車の頃なら大丈夫だろうけど、もうこの車も8年目になるのに、100キロもスピード出して大丈夫なの!?いきなり壊れたり爆発したりしたらどうしよう。いやでも車が急に爆発したなんてニュース聞いたことないし、車はきっと爆発するようなことはないのだろう。と思い至ると、そんなことより居眠り運転の事故の方がよっぽど多いという事実に気づく。そうすると今度は居眠り運転が怖くなってきて、今横を走っているトラックの運転手が居眠りしていたらどうしようという恐怖が頭を離れなくなる。後ろのトラックが居眠りしていたらもっとヤバいじゃないか。私の車は小さな小さな軽なので、トラックにぶつかられたらひとたまりもない。そもそも後ろからやってくる車はなぜほぼほぼトラックなの?追い抜かれても追い抜かれても後ろにトラックがいるのはなぜ!?というくらいこの日はずっとトラックとともに走っていた。高速道路ってそんなものだっただろうか?そして大前提として私はトンネルが怖い。世界中で私の怖いものベスト3には入る。小学校くらいの時トンネル崩落事故があって、当時そのニュースがずっと流れていたのがいまだに忘れられないのだ。なのでトンネルに入る度に鳥肌が立ち、心臓が握りつぶされるくらい痛くなった。

そんなこんなで、走っている間ずっと心臓のところが痛かったのだった。ほとほと自分が嫌になった。私はなんでこんなに小心者なのだろう。なんでこんなにも、起こってもいないことにおびえて、なんでこんな・・・。


けれど永遠に続くものは無いので、走っていたら高速の出口に到着した。一般道に出た時の風景にものすごく見覚えがあった。ここに来るのは今回で4度目くらいなのだ。

今までに3回もこんなところまで自力で運転して来ていたなんて自分すごいなと思った。体調不良とコロナですっかりなくなってしまった私の度胸は、また戻ってくるのだろうか?


久しぶりに来たその神社はとても良かった。神社というものは、自分に合う所と合わない所があると聞くけれど、今回行った神社はとてもすんなり入れるので、私に合っているのだろうと勝手に思っている。

けれどそんなに長居はせず、1周ぶんお参りをして神社を出た。


帰り道、海沿いの道を通るルートで高速の入口に行った。ここの地域の海は少し曇りの夕方にはミルキーな色味になるようで、本当にかわいくてきれいな薄い水色に海一面が染まっていた。

私の住んでいる地域は基本海の色は真っ青かグレーなので、どんなに日差しが優しくてもこんなミルキーにはならないのだ。地域によって見える海の色が違うなんて不思議すぎる。


帰りは、サービスエリアに多めに寄って、肉まんを食べたりカフェオレを飲んだりしながらゆっくり帰った。

ほとんど家の近くになったあたりで、やっと運転の恐怖が薄れてきた。
高速への恐怖は、慣れで解消されるのだろうか。

結局、次の遠出はもっと堂々と出かけたいと思いながらも、あれ以来高速に乗って遠出をしていない。そんな私は、いつか首都高速を自分で運転して走るのが夢である。

#高速道路
#日記

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