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昨日

従妹と長電話をした。彼女は仕事を休んだという。相談にのったけれど、助けになれたのかわからない。

話をしていて、私は自分が無収入であることを強く意識した。自分がお金を稼いでいたら、もっと力強く彼女を守れるのに。

私はいつも、楽な方しか選ばなくて、楽になるためなら、自分の価値観を変える。

だからいつまでたっても、何もわからないんだよと、私の中から声がする。

極限まで行って持ってくる物って、どんな物なのだろう。ぎりぎりまで行って見たものだけが、本物で素晴らしいのだと、どうして私は思っているのだろう。

苦しい時だけ罪悪感が消えるなんていうバカげたシステムに、はまりたくない。

苦しくもなく、罪悪感もないのがいい。そう思って周りを見ると、そんな人はどこにもいない気がする。実際は、どうなんだろう。

「動物園に行こうかな、気晴らしに」
電話の最後、従妹が言った。
「近いの?」と私。
「遠い。でもタクシーで行く」
「お金は?」
「あるよ」
かっこいいな。
電話を切った後、私は自分の気晴らしを探した。

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